アフリカローズウッド
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/22 18:23 UTC 版)
アフリカローズウッド (Pterocarpus erinaceus) は、西アフリカのサヘル地域に自生する樹木であり、木工の材料として用いられ、薪や薬としても使用されるほか、ほとんど栄養分が失われている農地の土壌を改良する助けになる窒素固定の作用が大きい植物として有用である。様々な呼称があり、バーウッド (barwood)[2]、ムニンガ (muninga)、ヴェネ (vène)、ムクワ (mukwa) などとも呼ばれるが、こうした名称はインドカリン属の他の種を含めて用いられることもある[注 1]。西アフリカのサバナでは良く見つかるが、近年では減少が著しく、希少なものとなりつつあり、一部では栽培もされている。また、コートジボワールのコモエ国立公園のように、地理的にはサヘルに近いものの2本の大河が近傍を流れている関係で湿度が高い地域では、森の中にも生えている。ナイジェリアのタラバ州クルミでも豊かな植生が見られる。樹木の高さは平均11メートルに達し、樹皮は暗色で鱗状、黄色い花をつける。また、羽根のついた莢の形をした実を結ぶ。アフリカローズウッドは、日射の強いアフリカの平地でよく育ち、長い乾季や、火災にも耐える。
注釈
- ^ たとえば『世界木材図鑑』(エイダン・ウォーカー 編、乙須敏紀 訳、産調出版、2006年)において「ムニンガ」として紹介されている樹種は本種ではなく、同属ではあるが東アフリカから南部アフリカにかけて生育する Pterocarpus angolensis である。
出典
- ^ コーナー, E. J . H.、渡辺, 清彦『図説熱帯植物集成』廣川書店、1969年、303頁。
- ^ "Pterocarpus erinaceus". Natural Resources Conservation Service PLANTS Database. USDA. 2015年10月15日閲覧。
- ^ Pterocarpus erinaceus: An important legume tree in African savannas Archived 2009-08-15 at the Wayback Machine.
- ^ FAO Species Profile
- ^ “ローズウッドを使用した楽器の輸出手続き:日本”. 日本貿易振興機構. 2018年5月20日閲覧。
- 1 アフリカローズウッドとは
- 2 アフリカローズウッドの概要
- 3 外部リンク
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