アグロドルチェ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/19 04:36 UTC 版)

アグロドルチェ(イタリア語: agrodolce)は、イタリア・シチリア島の調理法[1][2][3]。肉類、魚介類、野菜など様々なものがアグロドルチェとして調理される[1][2][3]。
日本でいうところの甘酢漬け[1]、甘酢炒め[1]、南蛮漬け[2]、ピクルス[2]のイメージに近い。
概要
イタリア語で「アグロ」は「酸っぱい」を意味し、「ドルチェ」は「甘い」を意味するため、酢と砂糖を使った甘酢料理のことを指す[1][2][3]。イタリア料理で砂糖を用いる料理は一般的ではないが、シチリア島では伝統的な調理法である[1]。
中国では「甘酸っぱい」を「
アグロドルチェに使用されている酢は、イタリアで広く用いられているバルサミコ酢が使用される[2]。バルサミコ酢、塩、胡椒、ハチミツや砂糖を使うのが基本であり、やや甘めに仕上げる[2]。野菜のアグロドルチェにはカボチャ、ナス、ピーマン、ズッキーニなど様々なものが使用される[2]。
作り方もいくつかあり、食材を素揚げにしてから漬け込む方法と、素揚げにしてから煮込んでいく方法とがある[2][3]。なお、バルサミコ酢は加熱することで、甘みが増し、香りもより芳醇となる[2][3]。
歴史
アグロドルチェは、中国を発祥とし、アラブ人によってヨーロッパに伝わったという説がある[5]。中華料理の「鶏肉の甘酢炒め」はシチリア島でも人気が高く、アグロドルチェとして認識されている[5]。
代表的な料理

様々な料理がアグロドルチェとして作られるが、シチリア島北部では黒っぽい料理、南部では白っぽい料理が多い[1]。
- カポナータ - 日本で知られるカポナータよりも、シチリア島では酢を利かせる[1]。また、同じシチリア島内でも地域によって使用する材料が微妙に変わり、それぞれの地方名を冠する[1]。
- タマネギのアグロドルチェ - 作り置きされることも多く、パンに乗せたり、肉料理の添え物として利用されるほか、パスタと和えても使用される[5]。
出典
- ^ a b c d e f g h i 齊藤奈津子 (2021年7月18日). “シチリアの伝統料理・アグロドルチェ 簡単なのに万能な玉ねぎの甘酢煮込み”. CREA. p. 1. 2025年3月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “イタリア版ピクルス【アグロドルチェ】とは?作り方や活用法を紹介”. オリーブオイルをひとまわし (2021年5月21日). 2025年3月19日閲覧。
- ^ a b c d e “アグロドルチェとは?どんな料理?基本の作り方や人気レシピを紹介!”. ちそう (2023年9月12日). 2025年3月19日閲覧。
- ^ 前田朱莉亜「甘み+酸味でおいしさアップ 肉団子と野菜の甘酢炒め」『朝日新聞』2022年2月28日。2025年3月19日閲覧。
- ^ a b c 齊藤奈津子 (2021年7月18日). “シチリアの伝統料理・アグロドルチェ 簡単なのに万能な玉ねぎの甘酢煮込み”. CREA. p. 2. 2025年3月19日閲覧。
関連項目
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