せっぺとべ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/12 07:47 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動せっぺとべ(せっぺ、跳べ)とは、鹿児島県日置市日吉町日置及び、同市日吉町吉利で行われる御田植祭の一種。日置市により無形民俗文化財に指定されている[1]。なお「せっぺとべ」は「精一杯、跳べ」と言う意味の鹿児島弁である[2]。
座標: 北緯31度35分22秒 東経130度20分49.7秒 / 北緯31.58944度 東経130.347139度
概要
400年以上前の1595年(文禄4年)に、日置島津家の第3代島津常久が、日置八幡神社を日置の総鎮守と定めた頃に始まったとされる。日置八幡神社(市指定史跡[3])と、隣の吉利鬼丸神社(市指定史跡[4])が主体となり、毎年6月初旬に開催される。
八幡神社と鬼丸神社にて、各地区の虚無僧踊りや棒踊り・鎌踊り・笹踊りなどの「お田植え踊」が奉納される。これらの舞踊も市の無形民俗文化財である[5]。その後、神田にてせっぺとべが始まる。
「二才衆」(成年式を終えた未婚青年の集まり[6])とよばれる白装束の男達(焼酎を飲んでかなり酔っている)が、田植え前の神田に入り、円陣を組んで「やれとべ、せっぺとべ 」と歌い、泥塗れになりながら飛び跳ねる所作をする。これには一年の豊作祈願のほか、田んぼの泥をこねて耕す意味と、害虫を踏んで駆除する意味があるとされる[7][2]。また日置八幡神社のせっぺとべでは仮面神である巨大な「大王殿(デオドン)」が現れ、田んぼの神事を見守る。この大王殿は『三国名勝図会』によると、かつては秋の収穫祭(鹿児島県地方で「ホゼ(放生会)」と言う)の時期に現れていたが[8]、現在ではせっぺとべに登場するようになったという。
脚注
参考文献
- 鹿児島県高等学校歴史部会『歴史散歩46 鹿児島県の歴史散歩』山川出版社、2005年10月25日、112頁。NCID BA69370022。
- 鹿児島県教育庁文化財課『かごしまの祭り・行事調査事業報告書』鹿児島県教育委員会、2018年3月、257-258頁。 NCID BB26103349。
関連項目
外部リンク
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