酸素カプセル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/06 07:50 UTC 版)
高気圧酸素治療
作用と副作用
水深3メートルの潜水を行った場合に身体に受ける圧力と同等の加圧によって、健常人に健康被害が起きることはないが、中耳の内圧を外部の気圧と平衡させる行為が必要になる。「耳抜き」と呼ばれ、スクーバダイビングにも必要な、耳管に通気をする技術である。酸素カプセルの内部で行う「耳抜き」は、顎を動かすか、唾液を飲み込むだけで簡単に行える人がほとんどであるが、個人差により、鼻をつまんで息を鼻腔内に入れるバルサルバ法[9] という「耳抜き」のコツを要する場合がある。
歴史
日本
- デビッド・ベッカム(サッカーイングランド代表)が2002年W杯直前に骨折し、出場は無理だと言われていたが、酸素カプセルを骨折の治療に使って復活を遂げたことが話題になり、「ベッカム(酸素)カプセル」と呼ばれるようになった。また、同時に「高濃度酸素部屋」を利用していたという説もある[10][11][12]。アスリートが治療や疲労回復のために用いるのが主流だったが、専門サロンなどが開店し、一般人も利用するようになった。
- 2006年には、斎藤佑樹投手が甲子園で活躍したころにこの健康機器を使用していたことが話題となったことで、2006年から2007年にかけてブームとなり市場が一気に拡大し、多くのメーカーが参入した[2]。
- 2008年の北京オリンピックでは、大会の直前に酸素カプセルがドーピングに当たるとの懸念から日本は自粛したが、後に他国では疲労回復目的に使用されていたことが判明した。この件では、WADAが酸素カプセルはドーピングにあたらないとの判断を示している[2]。
- 2012年7月のロンドンオリンピックでは、マルチ・サポートハウスへの酸素カプセルの持ち込みが初めて許可され、ナショナルチームが選手のコンディション作りの目的で使用した[2][13]。
脚注
- ^ a b サンケイスポーツ新聞 平成20年9月30日掲載『酸素カプセル特集記事』国内の第一人者、京大・石原昭彦教授に聞く
- ^ a b c d e f Diet&Beauty No.114(2012年6月15日発行)「特集酸素カプセル」
- ^ a b ガイトン生理学 原著第11版 2010年8月30日発行 エルゼビアジャパン株式会社
- ^ サンスポ - 鹿島、“夏ばて”防止で首位固めだ!三竿「酸素カプセルに1時間」2017.7.8 05:00
- ^ 赤坂AAクリニック公式サイト
- ^ 乾がん免疫クリニック 医療法人再生未来
- ^ 医療法人祥穂会 メディフィットあきた
- ^ 骨粗しょう症薬、使用に留意 副作用で顎の骨壊死 2017/7/3付 日本経済新聞 朝刊
- ^ 飛行機での耳抜きのタイミング バルサルバ法
- ^ 永井が強行出場へ!ベッカムカプセルで「内出血」急回復…五輪代表:その他:サッカー:スポーツ報知大阪版
- ^ 高気圧カプセル(ベッカムカプセル)と高気圧酸素治療の効果や注意点について|健康への試行錯誤
- ^ メーカー営業VSお客様 / その1|酸素カプセル比較情報サイト「LITERACY OF 酸素カプセル」
- ^ 医療法人 祥穂会 疾病予防運動施設 メディフィットあきた つつみ整形外科 院長 堤祥浩
- 1 酸素カプセルとは
- 2 酸素カプセルの概要
- 3 概要
- 4 高気圧酸素治療
- 5 関連項目
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