近鉄20100系電車 運用

近鉄20100系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 19:51 UTC 版)

運用

5編成が製造され、3編成が大阪線、2編成が名古屋線に配備された。

主に大阪名古屋方面から伊勢志摩への修学旅行をはじめとする[注 7]団体輸送に用いられた。近畿地方3府県(大阪府兵庫県奈良県)の小学校における修学旅行での利用については、現在の公益財団法人全国修学旅行研究協会大阪事務局に「あおぞら号近畿地区運営協議会」が置かれ、調整を行うこととした[1]。この協議会の活動は「あおぞらII」に代わった現在も、引き続き行われている[2]

その他には、夏期の一般旅客向け臨時快速急行列車や大阪線・名古屋線沿線の高校野球応援輸送列車、天理臨に運用されたこともある[注 8][注 9]。その際、本来20100系が就くべき団体輸送にはクロスシートの一般車両である2600系2610系が充当されていた。この処置は団体輸送に冷房搭載車を充てるという方針から、本来の製造目的とは入れ替わった使い方となったとされている。また、登場当初から特急車の増備によって運用に余裕が生じる1970年頃までは臨時特急にも充当されていた[3]が、本系列による臨時特急では特急券の発売方法を一部変更し、3人掛けシートは2人分、2人掛けシートは1人分での発売としてロングシート部分は発売されなかった[4]

登場後ほどなくして非冷房であることが問題となったが、冷房装置を搭載するスペースが車内に確保できなかったため、運用終了まで冷房装置が搭載されることはなかった。

末期には本来の主任務である修学旅行輸送に充当されても、第二次ベビーブーム世代が過ぎ去り修学旅行の輸送人員自体が漸減したこともあって、21000系「アーバンライナー」の登場により運用に余裕ができた30000系「ビスタIII世」や一般特急車に次第に取って代わられた。


注釈

  1. ^ ただし中間車の客席は2階部分のみに設置されている。
  2. ^ この装置は密閉構造で自然通風による放熱の難しいサ20200形1階機器室の冷却にも利用されている。
  3. ^ 端子電圧340V時定格出力125kW/1,800rpm
  4. ^ モ20100・20300形用。
  5. ^ サ20200形用。
  6. ^ この常用部は廃車時まで使用可能のまま維持されていた。
  7. ^ 名古屋からは伊勢志摩のほか奈良県内への修学旅行にも用いられた。
  8. ^ 天理臨に使用されるようになったのは1973年9月の橿原線の車両限界拡大工事の完成以降。
  9. ^ 特別料金不要の2階建て列車の草分けとも言える。なお、当初は通勤列車にも使う計画があったとされる。

出典

  1. ^ あおぞら号近畿地区運営協議会規約” (pdf). 公益財団法人全国修学旅行研究協会大阪事務局 あおぞら号近畿地区運営協議会. 2019年1月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月12日閲覧。 - 協議会の設立は1962年4月1日である。
  2. ^ あおぞら号近畿地区運営協議会”. 公益財団法人全国修学旅行研究協会大阪事務局. 2020年4月12日閲覧。
  3. ^ JTBパブリッシング『近鉄特急 上』
  4. ^ レイルロード 『近鉄急行&団体用 5200系&あおぞら号』






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「近鉄20100系電車」の関連用語

近鉄20100系電車のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



近鉄20100系電車のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの近鉄20100系電車 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS