賢者ナータン あらすじ

賢者ナータン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/06 13:24 UTC 版)

あらすじ

舞台は12世紀末、十字軍時代のエルサレム。この地のスルタンであるザラディーンは、戦争の資金を調達するため、妹シッタの入れ知恵で、名高い賢者として知られていたユダヤ人の豪商ナータンを呼び難問をしかける。それは、ユダヤ教キリスト教イスラム教のうちどれが真実の宗教であるか、というものであった。自身はユダヤ教徒であったナータンは過去にキリスト教徒から7人の子供を虐殺されていたが、後にすべては神の思し召しと達観してキリスト教徒を憎むのをやめ、その後キリスト教徒から託された少女レーヒャを無宗教で養育していた。ナータンは問いに答えられず進退窮まるが、とっさに「三つの指輪」の寓話を思い出しザラディーンに話して聞かせる。それは以下のような話である。

ある商人の家では代々、家宝である魔法の指輪を最愛の息子が譲り受けていた。しかしある代の商人は3人いる息子のいずれも愛しくてならず、そっくりの指輪をもう二つ作ったうえで3人に指輪を与えた。父親の死後、3人の息子の間でいずれの指輪が本物であるかということを巡っていさかいが起こった。息子たちは裁判へ訴えに出るが、話を聞いた裁判官は、指輪の見分けが付かない以上、3人はいずれも各々の指輪を本物と信じるがよい、そうして本物の指輪がもつ、誰からも愛されるようになるという魔法の力が実際に表れるよう各自で努力せよと助言し、訴えそのものを退けた。

この寓話とともに隣人愛を説かれたザラディーンは納得し、ナータンから金をゆすろうとした自分に恥じ入る。その後、ナータンの養子レーヒャと、彼女の命の恩人であるキリスト教徒で罪を問われていた宮殿騎士が実の兄妹であり、さらに彼女たちはザラディーンとシッタの甥・姪であったことが判明し大団円で幕となる。


  1. ^ Daniel Dahlstrom, Moses Mendelssohn, Stanford Encyclopedia of Philosophy, 3 December 2002. Accessed online 26 October 2006.


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