櫻子さんの足下には死体が埋まっている
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櫻子さんの足下には死体が埋まっている | |
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ジャンル | ミステリ[1]、推理 |
小説 | |
著者 | 太田紫織 |
イラスト | 鉄雄 |
出版社 | 角川書店→KADOKAWA |
レーベル | 角川文庫 |
刊行期間 | 2013年2月23日 - 2022年5月24日 |
巻数 | 全18巻(本編17巻+スピンオフ1巻) |
漫画 | |
原作・原案など | 太田紫織(原作) 鉄雄(キャラクター原案) |
作画 | 水口十 |
出版社 | KADOKAWA |
掲載誌 | ヤングエース |
レーベル | 角川コミックス・エース |
発表号 | 2015年8月号 - 2017年12月号 |
巻数 | 全2巻 |
漫画:櫻子さんの足下には死体が埋まっている 蝶は十一月に消えた | |
原作・原案など | 太田紫織(原作) 鉄雄(キャラクター原案) |
作画 | 綾峰けう |
出版社 | KADOKAWA |
掲載誌 | 少年エース |
レーベル | 角川コミックス・エース |
発表号 | 2017年5月号 - 9月号 |
巻数 | 全1巻 |
アニメ | |
原作 | 太田紫織 |
監督 | 加藤誠 |
シリーズ構成 | 伊神貴世 |
キャラクターデザイン | サトウミチオ |
音楽 | TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND |
アニメーション制作 | TROYCA |
製作 | 「櫻子さん」製作委員会 |
放送局 | TOKYO MXほか |
放送期間 | 2015年10月8日 - 12月24日 |
話数 | 全12話 |
ドラマ | |
原作 | 太田紫織 |
脚本 | 山岡潤平、武井彩 |
演出 | 佐藤祐市、山内大典 |
音楽 | 菅野祐悟 |
制作 | フジテレビ |
製作 | 共同テレビ |
放送局 | フジテレビ系列 |
放送期間 | 2017年4月23日 - 6月25日 |
話数 | 全10話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ・テレビドラマ |
ポータル | 文学・漫画・アニメ・テレビ・ドラマ |
概要
元々は2012年に書籍投稿コミュニティ『E★エブリスタ』に掲載されたWEB小説[注 1]。同年、『E★エブリスタ 電子書籍大賞ミステリー部門』(角川書店)優秀賞を受賞し[4]、2013年2月23日から2022年5月24日まで角川文庫より書籍化された。
2015年2月24日にアニメ化が告知され[5]、同年5月15日にテレビアニメであることが発表された[6]。同年10月から12月まで放送された。また、漫画版(作画:水口十)が『ヤングエース』(KADOKAWA)にて2015年8月号から[7]2017年12月号まで連載。
2017年4月から観月ありさ主演により、実写テレビドラマ化された。
2017年8月26日、『訪れてみたい日本のアニメ聖地88(2018年版)』において、この作品の舞台となった旭川市が選出された[8]。
2019年12月時点でシリーズ累計部数は150万部を突破している[9]。
同じく太田紫織の小説シリーズ『昨日の僕が僕を殺す』並びに『涙雨の季節に蒐集家は、』とは世界観を共有している設定で、それぞれの作品のキャラクターが交流する内容の短編小説を掲載したペーパーも書店特典として配布されていた。
あらすじ
北海道・旭川市に住む高校生・館脇正太郎は、良家のお嬢様にして「骨」を愛してやまない標本士の女性・九条櫻子と、とある切っ掛けで交流を持つようになる。その先々で様々な人の死に絡む事件に遭遇することとなり、検視官としての技能を持つ櫻子の推理に付き合うこととなるが、やがて不可解な殺人事件の背後に潜む教唆犯・花房の影が見え隠れしてゆく。
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
- 美しい人
- 正太郎の母親が経営するアパートで、入居者の清美と連絡がつかないため母親に同伴して様子見に正太郎は櫻子と共にアパートへ向かう。清美の部屋に入ると、室内は酷く荒らされており、ベッドで倒れていた。しかし、窓は全て施錠され玄関のドアにはチェーンが掛けられていた。死亡した清美には目立った外傷は見当たらなかったが、櫻子はヒステリーの可能性を疑い、それを確証にするために正太郎と植物園に向かう。櫻子は、園内でハシリドコロ[10]というブルーベリーに似た果実を手に取る。ハシリドコロは数粒から数十粒を摂取すれば死に至るほどの猛毒を持ち、櫻子は、清美の死因はハシリドコロを摂取したことによるものではないかと疑っていた。相手と争っていたことについても摂取したことによる幻覚症状で見えない相手と言い争っていたものと推察する。その夜、ニュースでこの事件が報道されていた。正太郎は、櫻子が指摘した通り清美の婚約者の橋口が妹の好美と浮気していたことを母親から聞く。だがその3日後、橋口が車内で自殺を図り亡くなったことが報じられた。
- 頭(こうべ)
- 正太郎と櫻子は増毛の海岸[注 2]で骨を収集中に人骨を発見する。櫻子は入手しようとしたが、正太郎は警察を呼び、数分で巡査の山路が駆け付ける。山路は、近所で水死体が発見されたため、その現場に駆けつけていた。事情聴取されることになった2人は山路のパトカーで警察署[注 3]に向かうが、その道中に櫻子の提案で水死体が上がった現場を見る。死体は男女二人で、両手はもやい結びで結ばれていた。警察は心中による自殺と判断していたが、櫻子は他殺と判断する。更には、もやい結びの紐の向きを怪しみ、2人には溺死の際によく見られる何か掴んでいる形跡が見当たらなかったこと、溺水の侵入による刺激で滲出される泡が溢れ出した痕跡も無かったことから殺害後に海に遺棄した可能性を視野に入れるべきと指摘する。
- それから数日後、犯人は逮捕された。犯人は漁師の男性で、もやい結びや死体に残った紫斑の跡がトラックの荷台と一致し、殺害した2人と金銭トラブルがあったなど、様々な証拠が見つかった。更に半年後、山路からトドの子供の骨と共に手紙が添えられていた。手紙には、海岸で見つけた骨は江戸時代末期から明治時代ごろの骨で、性別は女性、頭部に外傷があるが既に時効が成立していることと、捜査の御礼などが記されていた。
- 薔薇の木の下
- 正太郎と櫻子は、千代田薔薇園のオーナーである千代田薔子に誘われ2人を夜に行う降霊会に参加する。降霊会には、市議の水木、道北圏でスーパーマーケットを展開するチェーンの会長の大原と、劇団のオーナーの小橋などが参加していた。霊媒師と名乗る男性が現れ、降霊会が始まる。まもなくして霊が現れ、霊の悪戯により薔子の手には熱くなるなどの不思議な感覚が現れ始めていた。次に、ウィジャ・ボードを使い市議の水木の亡くなった妻・妙子の霊との対話を試みたが、対話に応じたのは妙子ではなく薔子の亡くなった婚約者である明人だった。そして、ウィジャ・ボードに添えられている手はMURDERと指し、誰かに殺されたのかという問いにYESと回答する。しかし、明人の死因は転落死だった。そして、ボードに添えられている小橋の手は暴れ始め、霊媒師のこの中に殺した人がいるかという質問にYESと指さす。しかし、櫻子はこの一連の現象の仕組みと霊媒師の身体的な特徴から神父であると見抜く。憤慨した大原はその場を去り、霊媒師も観念したが、明人は大原に殺されたと主張する。大原は明人が転落した後、救急車も呼ばず即座に逃げ出していた。殺害前のやり取りを残した映像もあったが、来客の隠し撮りが好きだった明人が映像の開示を望んでおらず、神父たちにとっても後ろめたい映像が収められていたため警察には提出出来ないでいた。また、明人は同性愛者で、神父や大原とかなり親しい間柄だったが、妻である薔子のことは唯一の家族として愛していたことも明かされる。しかし、薔子は大原の逮捕により道内の経済に影響が生じることを懸念し「私が沈黙の神となり、ここで語られた内容は他言無用」と皆に命ずるが、唯一神父はそれに納得しなかった。
- その後、神父は警察に証拠映像を提出し、同時に報道機関にも送った。これによりメディア各社が連日扱うような大事件となり、大原は出頭前に遺書を残して自宅で自害するが、保護責任者遺棄致死罪に問われ送検された。水木も市議を辞め、小橋も表舞台には姿を見せなくなった。神父も司祭職を剥奪された上にカトリック教会からも追放され、海外で生活を始めていた。また、この他にもこの映像が証拠となり逮捕者や倒産する会社が続出した。薔子は連日押し寄せるメディアに疲弊して体を壊し、薔薇園も閉園したが、見舞いに訪れた正太郎達に登山など色々なことを始めたいと話した。
- ^ 掲載時はEleanor.S名義。
- ^ 暑寒海水浴場
- ^ 留萌警察署増毛駐在所
- ^ 奥付には「2016年9月吉日」と記されている。
- ^ 「西武旭川店41年の歩みと思い出のエッセイ展」寄稿者に贈呈された。(西武旭川店公式フェイスブック(2016年7月15日)@seibuasahikawa.official)
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