東方花映塚 〜 Phantasmagoria of Flower View. 東方花映塚 〜 Phantasmagoria of Flower View.の概要

東方花映塚 〜 Phantasmagoria of Flower View.

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/29 10:16 UTC 版)

東方花映塚 〜 Phantasmagoria of Flower View.
ジャンル 対戦型弾幕系シューティングゲーム
対応機種 Windows 2000/XP
開発元 上海アリス幻樂団
発売元 上海アリス幻樂団
メディアスケープ(Steam版)[1]
シリーズ 東方Project
バージョン 1.50a(2005年10月8日)
人数 1-2人
メディア CD-ROM
ダウンロード販売(Steam版)[1]
発売日 2005年8月17日
2022年4月25日予定(Steam版)[1]
必要環境 CPU: Pentium以降 800MHz以上 推奨
DirectX: 8.0以上
HDD空き容量: 600MB 以上
メモリ: 64MB 以上
アスペクト比 4:3
解像度 640×480
その他 同人ゲームインディーズゲーム
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本作は、2005年5月4日開催の同人イベント博麗神社例大祭2」にて体験版CD-ROMが販売され、6月12日に体験版がWEB公開、8月14日の「コミックマーケット68」にて完成版が販売された[1]。後に同人ショップでの委託販売も行なわれている。書籍『東方文花帖 〜 Bohemian Archive in Japanese Red.』の付属CD-ROMにも体験版が収録されている。

本作は前3作とは異なり、対戦型シューティングゲームである。これは、アーケードゲーム『ティンクルスタースプライツ』のシステムを借用したもの[3]で、作者のZUNは「ティンクルスターも新作が夏に出るみたいなので、相乗効果を狙って出してしまいます」と発言している[4][※ 1]。全9ステージからなるストーリーモードのほか、任意の自機を選択して対戦するマッチモード、条件を満たすことで選択可能になるExtraモードが用意されている。最新バージョン (ver.1.50a) ではネット対戦も可能である。

2021年4月25日には、メディアスケープよりSteamを通じて配信が開始された[1]。バージョン表記は1.00のままだが、新たにSteam Remote Play Together機能によるフレンド同士の通信対戦に対応し[5]、1.50aもベータ版として提供されている[6]

本項では、以降は『花映塚』と称することとする。その他の本項で使用されている東方Project関連の略称については、東方Project#凡例を参照。

ゲームモード

1人用の「ストーリーモード」、ストーリーモードの特殊ルール版といえる「Extraモード」、2人対戦の「マッチモード」がある。

ストーリーモード
ストーリーモードは、1人でプレイするモード。全9面からなるステージをクリアしていき、9面をクリアするとエンディングとなる。プレイヤーはライフの他に残機を持ち、ライフが0になり負けると残機が減る。一定の得点でエクステンドする。残機が無い状態で負けるとコンティニューするかを尋ねられる。コンティニューは3回まで可能だが、本作ではコンティニューしてもしなくてもエンディングは変わらない。
相手に負けた後に残機を消費して再戦する際は、その相手が弱くなる[※ 2]
Extraモード
Extraモードは、条件を満たすと選択可能になるモードで、ストーリーモードと同様全9面からなるステージをクリアしていく。台詞などはストーリーモードと全く同じであるが、ルールは大きく異なっている。
残機0の状態から始まり、コンティニューは不可。ただし得点によるエクステンドは可能である。自分・相手ともにチャージゲージが4、ライフが0.5の状態でスタートする。すなわち、被弾すると即ミスとなる。
Extraモードには、相手に「タイマー」が設定されている。対戦開始と同時に、対戦の状況によって最低20秒から最大2分(概ね後半のステージほど長い)に設定されたタイマーが作動する。タイマーが0秒になるまでの間は、相手は被弾が無効(無敵)になっている。0秒になると相手の無敵が解除され、撃破が可能となる。このタイマーは、同じ相手とは再戦するたびに時間が短くなる。
マッチモード
マッチモードは、任意の登場人物を選んで対戦するモード。先に2回負けると敗北となる2セットマッチで、2人対戦のほか、CPU(ノンプレイヤーキャラクター)との対戦やCPU同士の対戦も可能である。
最新バージョン (ver.1.50a) では、設定を行なえばネット対戦も可能になっている[※ 3]

システム

『花映塚』は前3作とは違い、『ティンクルスタースプライツ』のシステムを借用した対戦型シューティングゲームである。フィールドは画面上に2つ存在し、ストーリーモードとExtraモードでは左側が自フィールド、右側が相手フィールドとなる。マッチモードでは左側が1P、右側が2Pとなる。

自機は、性能の異なる最大16種類がある。全てを使用するには条件を満たす必要がある。

基本行動

弾を回避しながら、フィールド上に現れる雑魚敵の「妖精」や「幽霊」をショットで撃墜する。特定の行動をとることで、自フィールドの弾を消したり、相手フィールドに攻撃を送り込むことができる。

「幽霊」はそのままでは耐久力が高く安易に撃墜はできないが、低速移動時に自機周辺に現れる「吸霊フィールド」に触れることで耐久力が落ちて撃墜しやすくなる。耐久力が落ちた「幽霊」は一定時間経過すると自爆し、自機へ撃ち返し弾を放つ。

フィールドの上部にはライフが「陰陽玉」(陰陽太極図模様の玉)5個で表示されており、敵や弾などに接触すると減少する。ライフの減少幅は0.5単位だが、実際に減少する値は状況によって異なる。ライフが0.5になると警告音が鳴り、0になると負けとなる。警告無しでライフが0になることはなく、どんなに大ダメージを受けても一旦0.5で止まる。

回避手段

雑魚敵の妖精や、「吸霊フィールド」に触れて耐久力が落ちた幽霊を撃墜すると、爆発してその周囲に爆風を発生させる。爆風には自機へのダメージ判定はないが、他の雑魚敵へはダメージ判定があり巻き込まれて撃墜されるほか、弾のうち「白弾」は爆風に巻き込まれると消滅する。このため、妖精などをうまく爆発させて弾や雑魚敵を消すことが回避の基本となる。

また、画面下部に表示されている「チャージゲージ」がボムとして使用される。妖精などの爆風では消すことのできない弾も、ボムでは消すことができる。チャージゲージは使用することで減少し、雑魚敵を倒すことで一定値まで増加する。

攻撃手段

特定の行動を取ることで、相手フィールドへ攻撃を送ることができる。

弾幕アタック
妖精を倒したり弾消ししたりすると、相手フィールドに白弾が発生する。相手が弾消しすることで自フィールドへ白弾が戻ってくることもあるが、何度かこれが繰り返されると白弾ではなく爆風では消すことのできない「大型弾」が発生する。
幽霊アタック
妖精を爆風の連鎖で倒したり幽霊を倒したりすると、相手フィールドに幽霊が発生する。
EXアタック
大きい幽霊を倒したり、「EXアイテム」(後述)を取ることで、相手フィールドに攻撃が発生する。攻撃方法は自機の種類によって異なる。
カードアタック
チャージゲージが一定以上溜まっているときにこれをボムとして発動すると、自フィールドでの弾消しが発生するとともに、相手フィールドに攻撃が発生する。攻撃方法は自機の種類によって異なり、チャージゲージが多く溜まっているほど強力な攻撃になる。
ボスカードアタック
他の東方Project作品での「スペルカード」に相当する。チャージゲージが最大の時にこれを発動すると、相手フィールドに「自機の幻影」が発生し、自動で相手に強力な攻撃を放つ。各キャラクターごとの、ボスカードアタック時のカットインにはそのキャラに因んだ格言、又は四字熟語が添えられている。
相手から自フィールドに送り込まれた「相手の幻影」はショットなどを当てることで倒すことができるほか、ボスカードアタックを使用することで「送り返す」ことができる。
ボスカードアタックは、雑魚敵を連続して倒すことなどにより溜まる「スペルポイント」というものが特定の値になったときにも発動する。

リリーホワイト

長期戦になった場合などに、自フィールドと相手フィールドに敵「リリーホワイト」が現れ、高密度の弾幕を放ってくる。リリーホワイトは耐久力が高いが倒すことは可能。一定時間経過すると画面外へ去っていく。

アイテム

アイテムは、リリーホワイトや「相手の幻影」を倒すことで出現し、取得することで効果が発生する。

点アイテム
スペルポイントが上昇する。
弾アイテム
爆風では消去不可能な弾を相手に送る。
EXアイテム
大量のEXアタックを相手に送る。
Gアイテム
チャージゲージが最大になる。

出典

  1. ^ 2005年7月に『ティンクルスタースプライツ -La Petite Princesse-』が稼働している。
  2. ^ 『花映塚』付属のマニュアルの「ヒント」では「実はCOMも人の子、連続で勝ち続けるとやっぱり疲れます。COMが油断した所を付けば、次のラウンドはあっさりと勝てたりします(後略)」と表現されている。
  3. ^ ver.1.50a は「プレリリース」とされ、後日に正式なパッチが作成されることがアナウンスされていたが、その後に新たな公式パッチが出されることはなく、事実上の最終バージョンとなっている。
  4. ^ 『花映塚』作中で、明確に「鈴蘭の花=スーさん」と断定できる発言はない。「スーさんの毒のお陰で自在に動ける人形になった」との発言があるが、鈴蘭が咲いていない「再思の道」でスーさんに話しかけてもいる。
  5. ^ 『紫香花』収録のZUNの小説「六十年ぶりに紫に香る花」では、無縁塚を訪れた霊夢が紫と幽々子に会い、その後紫たちは「大きな気」が近付いているのを感じて退散する。物語の最後は「東方花映塚エキストラに続く、のかもしれない」と締められているが、『花映塚』Extraステージで無縁塚にいる霊夢が会うのは、説教行脚中の四季映姫である(『花映塚』映姫ルートの9面)。
  1. ^ a b c d e Yokoyama, Keiichi (2022年4月9日). “対戦型弾幕STG『東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower View.』Steam版4月25日配信へ。四季の花が咲き続ける幻想郷に、弾幕の花が咲く”. AUTOMATON. 2022年4月12日閲覧。
  2. ^ 特集 シューティングの方法論 第1回”. 4Gamer. Aetas (2005年12月9日). 2014年4月2日閲覧。
  3. ^ 東方花映塚 〜 Phantasmagoria of Flower View.ティンクルスタースプライツの皮を被った変な弾幕ゲームなのです。
  4. ^ 「東方書譜」2005年4月1日の書き込み”. 2005年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月27日閲覧。
  5. ^ Steam Remote Play Togetherを利用したインターネット対戦について
  6. ^ ver1.50aの切り替えについて
  7. ^ 『文花帖(書籍)』p.14, p.65, p.77など。
  8. ^ 『三月精 第2部』第20話。
  9. ^ 『ダブルスポイラー』LEVEL SPOILER-1, SPOILER-5。
  10. ^ 『ダブルスポイラー』付属の「omake.txt」の「姫海棠はたて」の欄。
  11. ^ 『香霖堂』単行本第17話。
  12. ^ 『三月精』第2部第1話、第3部第9話など。
  13. ^ 「神主ZUN、『風神録』についてかく語りき!」 『キャラ☆メル』Vol.3、一迅社、2007年12月、pp.104-111。
  14. ^ 『風神録』Music Room内のZUNのコメント。
  15. ^ 『花映塚』幽香ルートの9面。
  16. ^ 『求聞史紀』pp.45-47「風見 幽香」。
  17. ^ a b 『求聞史紀』pp.104-105「小野塚 小町」。
  18. ^ 『花映塚』小町ルートのエンディング。
  19. ^ 『花映塚』マッチモードでの小町の汎用勝利コメント。
  20. ^ 『三月精 第2部』第4話。
  21. ^ 『緋想天』小町ルートの6面。
  22. ^ a b 『求聞史紀』pp.108-109「四季映姫・ヤマザナドゥ」。
  23. ^ 『三月精 第3部』第6話。
  24. ^ 『花映塚』霊夢ルートの9面。
  25. ^ 『花映塚』マッチモードの、鈴仙対映姫戦での鈴仙の勝利セリフ。


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