旧暦2033年問題 現状とこれから

旧暦2033年問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/10 01:18 UTC 版)

現状とこれから

国立天文台のwebサイトでもこの問題が取り上げられている[5]。既に廃止された暦のため、公的な機関が決定することはないとしている[6]

国立天文台の元天文台長や「暦計算室」員、国立民族学博物館名誉教授、カレンダー出版物の業界団体の長などを理事長・理事・学術顧問などに迎えている社団法人・日本カレンダー暦文化振興協会では、2014年(平成26年)4月以来この問題に関する学術シンポジウムを開催し[7]、問題の所在についての啓蒙と周知、対策案についての検討などを行っている。また同協会は2015年(平成27年)8月28日にこの問題についての見解を発表し、その中で閏11月(F月)案を推奨した上で「置閏ルールについては検討を継続する」としている。2033年閏11月を推奨する理由としては、以下のようなものを挙げている。

  • 伝統的な太陰太陽暦では冬至が重視されてきた。ゆえに冬至を尊重し、その当月に11月が配置されることが望ましい。
  • 出版済み万年暦のほとんど全てが閏11月を採用しており、それらに訂正の必要がなく、社会的混乱を回避できる。
  • 議論の俎上に上がった有力な置閏ルールが全て閏11月を支持しており、今ここで置閏ルールを決定せずとも推奨できる。

またこれによれば、2033年に閏11月を選択しただけでは置閏ルールを特定できないとしているが、2034年閏正月を採用しないのであれば2147年は閏11月となり(またこの条件だと2242年も閏11月になると考えられる)、2033年閏7月を採用しないのであれば2223年は閏9月になるとしており、ルールを決めないことによる混乱は、さらに遠い将来まで起こらないとしている[8]

毎年の暦(官暦や民間暦)は前年に頒布されているため、不都合が起きるとされる年まで上記の方法も含め、コンピュータで旧暦を計算する各種のソフトウェアではいろいろな方法が採られている(外部リンク参照)。

理科年表』には時節の話題などを扱うページが毎年各部に数ページ程度あるが、2014年(平成26年)版でこの問題を取り上げている。


注釈

  1. ^ これは秋分・霜降・小雪はいずれも朔と同一日であるが(ただし時刻は朔の前)、冬至は直後の朔と日をまたいでしまう(冬至:12/21 22:45、朔:12/22 3:46)ことで、秋分・霜降・小雪は各々直後の朔で始まる暦月に属するのに対し、冬至は直後の朔で始まる暦月には属せず直前の(小雪が属することになった)暦月に属してしまうためである。秋分〜朔は21時間、霜降〜朔は6時間、小雪〜朔は1.5時間、冬至〜朔は5時間であるが、間で日をまたぐのは冬至〜朔の間である。この後、小寒で再び朔と同一日になるが(小寒〜朔は9.5時間)、次の雨水で再び日をまたいで雨水が朔の前日になり(雨水〜朔は9時間)、次の春分で再び朔と同一日になる(この時は中気である春分の方が朔の3時間後になる)。それ以降は、中気の方が遅れていくので問題は発生しない。

出典



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