審判員 (サッカー)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/15 23:01 UTC 版)
資格
サッカーの公式試合の審判を務めるには、各国・地域のサッカー協会・連盟が管轄する「サッカー公認審判員」と、各国・地域のサッカー協会が国際サッカー連盟 (FIFA) に申請し、FIFAが登録した「国際サッカー審判員」(更新制)がある。FIFAおよびその傘下加盟国協会が主催する試合の審判を行うには、公認審判員の資格が必要となる。
日本においては、日本サッカー協会 (JFA) および都道府県協会が主管となる試合においては、日本サッカー協会審判委員会が策定したカリキュラムに則った「審判員資格認定講習会」を各所管協会で受講し「サッカー公認審判員」として認定してもらう。この公認審判員は1〜4級のランクがあり下位の資格を取得していることが昇格の前提となる。
北海道、東北、北信越、関東、東海、関西、中国、四国、九州の9ブロックに各地域サッカー協会があり、その傘下に各都道府県別に各都道府県サッカー協会がある。日本サッカー協会も含め協会内には審判委員会が設けられ、それぞれ管轄する審判員の上級審判員への推薦を審議する。なお、2007年に日本サッカー協会の規約から審判員の『定年による引退』条項は削除された。
4級審判員
- 各都道府県サッカー協会が認定(年に数回の講習会にて)。
- 受検資格 : 心身ともに、健康で審判員として活動できる者
- 検定内容 : 講習と実技、筆記テスト
- 担当可能大会:地区サッカー協会主催試合の主審・副審
- 定年規定 : なし
3級審判員
- 各都道府県サッカー協会が認定(年に数回の講習会にて)。
- 受検資格
- 4級取得者で一定の実績を積んだ者。
- 4級で10試合以上(主審を8試合以上)経験した者
- 検定内容 : 筆記テスト、体力テスト、実技テスト(任意)。(実技テストは4級審判員としての実績により免除あり)
- 担当可能大会:都道府県サッカー協会および協会傘下団体主催試合の主審・副審。
- 第2種年齢以下(18歳以下)に該当するユース審判員は原則として、18歳以下の試合の主審をする
- 定年規定 : なし
2級審判員
- 各地域サッカー協会が認定(年に数回の講習会にて)。
- 受検資格
- 3級取得後2年以上で、一定の実績を積んだ者。
- 各都道府県サッカー協会の推薦が必要。
- 検定内容 : 筆記テスト、体力テスト、実技テスト。
- 担当可能大会
- 地域サッカー協会、都道府県サッカー協会および協会傘下団体主催試合の主審・副審。
- 認められた場合、日本サッカー協会の副審。
- 定年規定 : なし
女子1級審判員
- 日本サッカー協会が認定(年に数回の講習会にて)。
- 受検資格
- 2級取得後2年以上で、実績のある39歳以下の女性(受検年の4月1日現在)。
- 各地域サッカー協会の推薦が必要。
- 検定内容 : 筆記テスト、体力テスト、実技テスト。
- 担当可能大会
- 日本サッカー協会(女子の大会)の主審・副審、日本サッカー協会(2〜4種)の副審。地域サッカー協会、都道府県サッカー協会および協会傘下団体主催試合の主審・副審。
- 認められた場合、日本サッカー協会(1種)の副審。
- 定年規定 : なし
1級審判員
- 日本サッカー協会が認定(年に数回の講習会にて)。
- 受検資格
- 各地域サッカー協会の推薦が必要。
- 検定内容 : 筆記テスト、体力テスト、実技テスト。
- 定年規定 : なし
Jリーグ担当審判員(主審・副審)
日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の審判は、Jリーグの要請に基づき、毎年JFA審判委員会が1級審判員のうちシーズン終了後に行われる体力テストに合格した者の中からシーズン中のパフォーマンスを考慮して翌シーズンのカテゴリー並びに主審/副審ごとに指名する(Jリーグ規約第113条)。体力テストの基準はカテゴリーによって異なり、例えば、J1担当主審の場合はスプリント(40m走を規定時間内に6本)、インターバル走(75m走15秒+25m徒歩18秒を連続40セット)をクリアしなければならない[5]。
報酬は担当試合単位で支払われる。試合実施要項第20条に定めがあり、2024年シーズン時点では以下のように定められている(旅費・交通費別途)[6]。
カテゴリー | 主審 | 副審 | 第4の審判員 | VAR | AVAR |
---|---|---|---|---|---|
J1 | 120,000 円 (70,000 円) |
60,000 円 (35,000 円) |
20,000 円 (10,000 円) |
60,000 円 (35,000 円) |
30,000 円 (20,000 円) |
J2 | 60,000 円 (35,000 円) |
30,000 円 (20,000 円) |
13,000 円 (8,000 円) |
--- | --- |
J3 | 30,000 円 (20,000 円) |
15,000 円 (9,000 円) |
10,000 円 (6,000 円) |
--- | --- |
なお、プロフェッショナルレフェリーの場合は、試合カテゴリーや担当任務に関係なく、主審契約の場合は一律 130,000 円(フルタイムでない場合は 75,000 円)、副審契約の場合は一律 80,000 円(同 45,000 円)となっている。
国際審判員(主審・副審)
国際審判員は各国・地域のサッカー協会・連盟がFIFAに登録を申請することになっており、日本ではJFAが、男子は1級審判員の中より、女子は女子1級審判員の中より、いずれも実績により推薦する。英語必須。45歳定年制が存在したが、FIFAの規定上は2016年に廃止されている(但し日本からの申請にあたっては45歳定年制が実質的に残っている)。
FIFAへの登録時にはパスポートネーム(本名)を使用することになっており、當麻政明(家本政明)・手代木直美(牧野直美)[7]のように国内で使用される姓名と異なって登録されるケースがある。
日本の国際審判員
2023年登録[8]
- 主審(フットサル男子)
-
- 小林裕之
- 藤田武志
- 大矢翼
- 池田幸弘
- 主審(フットサル女子)
-
- 晝間久美
- 宮崎真理
- 齋藤香菜
- 主審(ビーチ)
-
- 波多野祐一
- 佐藤誠
- 浜辺篤伸
- ^ “No.197 第3のチーム、レフェリーズ”. サッカーの話をしよう 大住良之オフィシャルアーカイブサイト (1997年7月14日). 2012年12月29日閲覧。
- ^ FIFA、GLT導入を正式決定 クラブ・ワールドカップから本格導入-goal.com日本語版2012/7/6
- ^ 2013 年競技規則追加改正について(13.06.25)-日本サッカー協会公式HP2013/6/25 (PDF)
- ^ 代表戦初?試合中に主審交代…肉離れで両脇を支えられて退場 - SANSPO.COM(サンスポ)2014年3月6日付け。2021年5月25日閲覧
- ^ “【JFAの知っトク!】Jリーグ担当審判員の舞台裏~佐藤隆治JFA審判マネジャー”. 日本サッカー協会 (2024年2月14日). 2024年2月15日閲覧。
- ^ “2024明治安田J1・J2・J3リーグ戦試合実施要項”. 日本プロサッカーリーグ. pp. 6-7. 2024年2月15日閲覧。
- ^ プロフィール (PDF) - 公益財団法人 日本サッカー協会 2012年度 第6回理事会 協議資料、2012年9月13日
- ^ 『2023年国際審判員として34名を登録』(プレスリリース)日本サッカー協会、2023年1月19日 。2023年5月12日閲覧。
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