切り絵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/20 05:03 UTC 版)
製作
切り絵の基本は白黒のモノクロ画で、黒い紙を切り抜き、白い紙に貼り付けるという手法で制作する。
まず、スケッチした絵を白と黒に染め分け下絵を作る。このとき、輪郭線は全て繋がるように描いておく。そうしないと、切った時にバラバラに離れてしまうからである[注 1]。
そして下絵をホッチキスで黒画用紙などに固定する。そして余分な部分をデザインカッターなどの刃物で切り抜いていく。
最後に裏面に糊を塗布し、台紙となる白い紙に接着して完成する。
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下絵。ルイーゼ・デュッテンホーファー作
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仕上がった切り絵。「貝殻の戦車と天使」
カラーの切り絵
白黒が切り絵の味わいの基礎となるわけだが、カラーの切り絵ももちろんある。手法としては以下を用いる。
- 裏から色紙を貼り、台紙に接着する
- 台紙の方に色紙を貼り、上から切った絵をずれないよう重ねて貼る
- 作品の輪郭線を台紙に写し取って絵具で塗り、上から作品を重ねて貼る。
- 台紙に貼った作品に絵の具で着色もしくは絵柄を描く。
その他、カラートーンや市販のパターン紙を使うなど、工夫によっていろいろできる[要出典]。
道具
主に使われている道具には、以下のものがある。
- デザインカッター
- 替え刃式の工芸用のカッター。普通のカッターと違い、刃を先端部から取り外して交換する。角度の鋭いものと緩いものがあり、細かい部分、大きな部分と、切る部位によって使い分けるとよい。刃先は非常に切れ味が鋭いため、取り扱いには注意が必要である。
- スプレー糊(短期保管用)
- スプレータイプの糊。広い面積のところに塗る際に便利。剥がしやすいタイプと、剥がしにくいタイプがある。
- 水のり(長期保管用)
- スプレー糊は時間の経過とともにはがれやすいため、長期保管を目的として製作するなら、でんぷん糊を多量の水で薄めて使う。
- カッターマット
- 机や作業台の表面を保護する。
- 金定規
- 直線を切る時に使う定規。カッターなどの刃先にも強い。
- ピンセット
- 細かい作業を行う時に、製作補助として使う。
材料
- 黒紙
- 線を切り出すための紙。主に和紙と洋紙が用いられる。和紙はカッターの刃が傷みにくいがやや切り難く、洋紙は刃が痛みやすいが切り易い。洋紙ならタント紙が扱いやすい。
- 色和紙
- 主に着色に用いる。落ち付いた風合いで和風な雰囲気によく合う。切り抜いた絵の輪郭に合わせて切っておき、作品の裏から貼る、または台紙に貼り付け、切った紙をずれないように上から重ねて貼る。
- 絵具
- 台紙に直接色を塗り、上から作品を重ねて貼って着色する。
注
出典
- ^ a b 『大辞林』第三版
- ^ 『季刊銀花』 1977, 「特集:日本の伝承切り紙
- ^ 渡辺尚子「東北のおかざり(ちいさなあとりえ(第18回))」『暮しの手帖. 第4世紀』第67巻14(冬)、2013年、161-167頁。
- ^ 東 資子「岩手県一関市の「お飾り」」『東北民俗 = Bulletin of the Folklore Society of Tōhoku』第55巻、2021年6月、61-70頁、ISSN 0912-5523。
- ^ “東北のオカザリ―神宿りの紙飾り―(2014年7月12日(土)〜9月15日(月) 東北のオカザリ―神宿りの紙飾り― 多摩美術大学美術館 | 東京都)”. アイエム[インターネットミュージアム]. 展覧会. 丹青社 . 2022年8月17日閲覧。
- ^ 北上市立博物館 1983
- ^ 千葉 2012, 日本児童図書出版協会による紹介文
- ^ 鈴木ほか 2010, pp. 18–19, 37–38, 40–43
- ^ 日中藝術研究会 1995, pp. 26-33 (コマ番号0016.jp2-)
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- ^ 現代世界美術全集 1966, p. 88 (コマ番号0095.jp2)
- ^ 中村 1981, pp. 72–81。
- ^ “Peleg Dishon / ペレグ=ディション”. イスラエル大使館 文化・科学部. 2022年8月17日閲覧。
- ^ “Peleg Dishon” (英語). pelegdishon.com. 2022年8月17日閲覧。
- ^ “Shinobu Ohashi”. shinobu.xxxxxxxx.jp. 2022年8月17日閲覧。作家当人のサイト
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- ^ “立体切り絵作家 SouMa ~ Agent WKHソリューションズ.Co.,Ltd”. 立体切り絵作家SouMaのホームページ WKHソリューションズ 立体切り絵の販売、オーダーメイド. 2022年8月17日閲覧。作家当人のサイト
- ^ “宮田雅之切り絵の世界 The world of Masayuki Miyata”. www.masayuki-miyata-kirie.jp. 2022年8月17日閲覧。作家当人のサイト
- ^ 1999年NHKテレビ「おしゃれ工房」講師“日達れんげのプロフィール”. iichi(いいち). 2022年8月16日閲覧。通信販売のサイト
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