丹霞地形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/07 16:23 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動丹霞地形は中国南部に多く見られる。福建省の泰寧県にある丹霞地形は「幼年期」の好例で、深く狭い渓谷が見られる。より年月を経ている丹霞地形だと、さらに侵食が進んで渓谷は広がり、孤立した塔のような地形なども見られるようになる。
形成される景観はカルスト地形とよく似ているものもあるが、カルスト地形が石灰岩で成り立っているのに対し、丹霞地形は砂岩や礫岩で成り立っている。このため、「カルスト地形もどき」 ("pseudo-karst" landforms) とも呼ばれる。
丹霞地形では侵食作用によって、規模も形も様々な洞窟が数多く形成されている。それらはどちらかというと浅く、孤立しており、カルスト地形の鍾乳洞がしばしば深く入り組み、互いにつながっているのとは対照的である。なお、こうした洞穴には古くから人々に利用されてきたものもあり、江西省竜虎山には、洞穴を利用した約2600年前の懸墓遺跡群も残っている[3]。
2010年には、貴州省の赤水、福建省の泰寧、湖南省の崀山、広東省の丹霞山、江西省の竜虎山、浙江省の江郎山にそれぞれ残る丹霞地形が、ユネスコの世界遺産リストに登録された。うち3箇所(泰寧、丹霞山、竜虎山)は、世界ジオパークとして認定されている。
参考文献
- 王蕾 (2009) 「丹霞を見にやって来るそよ風」(『人民画報』日本語インターネット版)
- 世界のジオパーク編集委員会・日本ジオパークネットワークJGN 共編 (2010) 『世界のジオパーク』 オーム社
関連項目
- 中国丹霞
- 甘粛張掖国家地質公園 - 甘粛省張掖市のジオパーク。以前の名称が「張掖丹霞国家地質公園」
- 1 丹霞地形とは
- 2 丹霞地形の概要
- 丹霞地形のページへのリンク