フェアリー フルマー 開発

フェアリー フルマー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/01 16:06 UTC 版)

開発

1930年代も半ばになると、世界に先駆けて空母を建造、開発していたにもかかわらず、イギリス海軍の航空機事情はおよそ世界水準とは言いがたい状況となっていた。空の主役である戦闘機任務にはいまだニムロッドオスプレイといった複葉機が現役であった。そのため、1938年にイギリスは仕様書O.8/38に基づいた、複葉機に代わる単葉戦闘機の配備を決めた。フェアリー社は開発中であったバトル軽爆撃機を基にした仕様書P.4/34軽爆撃機を仕様書O.8/38に基づき複座戦闘機として改修した機体(この際にはP.4/34試作2号機が改修された)をイギリス海軍に提案し、海軍はそれを受け入れた。1938年3月、海軍は127機を正式に発注した。武装は、当時の英空軍が採用していた小口径8挺に準じており、7.7mm機関銃8挺としている。

イギリス海軍が複座戦闘機にこだわった理由は、目印も何も無い海上飛行においては、航法担当が機体を適切に誘導することが空母に帰艦するのに必要、と考えていたからと言われる。だが、実際のところは日本アメリカが証明しているように、操縦者が航法を修得していれば単座機であっても問題なく帰艦できた。

フルマーは複座という構造により重量が増加していたにもかかわらず、それに対してエンジン出力は貧弱であった。これはよく、ほぼ同馬力のエンジンを装備していたハリケーンと比較される。ハリケーンの自重2,500kg、全備重量3,300kgに対し、フルマーは自重3,960kgと1.6倍近くも重く、全備重量は4,850kgとなっていた。そのため、速度もMk. Iでは400km/hを越えることができず、戦闘機としての性能は低いものとなってしまった。


  1. ^ 601や602とする資料もある。350はMkIIのみ。450はミュンヘン危機の際の追加発注を忘れており間違い。






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