トニングリッシュ トニングリッシュの概要

トニングリッシュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 09:14 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

概要

  • 1950年までの時期に発生。進駐軍の英語とジャズの影響が大きく、のちのフォロワーたちも「トニングリッシュ」のダイレクトなフォロワーというよりも、同様の風土から育まれた要素が強い。
  • 言語学的にはピジンクレオールに近い形式をもつといえるが、けっして言語として普及したものではない。話者のセンスや表現力がない限りは存立しえない、きわめて孤独な言語であり、表現者による表現でしかない。
  • 英語と日本語、ときには中国語由来の外来語、東北方言と思われる語尾、山の手言葉などを適宜おりまぜながら、日本の伝統的な七五調でまとめるのが特徴。語調はきわめてリズミカルである。
  • 「マリリン・モンロー→モリリン・マンロー」「アイラブユー→アイブラユー」[1]のようなスプーナリズム(spoonerism [2], 音韻交替)も顕著な特徴の一つである。
  • また、日本語の副詞語尾「~り」は「~りんこ」あるいは「~りんこん」と変形することが多い。「ふわり→ふわりんこ」「ぽとり→ポトリンコン」など。
  • 英語と日本語の同義反復も多々みられる。「スプリングレイン春雨」[3]など。
  • 中国語由来の外来語、戦時中から終戦直後当時、一般的に日本で流通していたいわゆる「兵隊シナ語」の混在が、時代を感じさせる。「没法子 (めーふぁおずー)」「快々的 (かいかいでー)」[4]など。
  • 例文「わが信条は、ひとつの望みが潰えても諦めぬことだ。人生は粘りだ。押しが肝心だ」
これをトニングリッシュに訳すと、こうなる。
「マイ・モットウの信条は、一つの望みがポシャッても、ペシャリンコンになるなかれ。人生はこれネバリなり。一押し、二押し、三に押し」[5]

関連項目


  1. ^ さいざんすマンボ (デュエット宮城まり子、作詞トニー谷・宮川哲夫、作編曲多忠修1953年ビクターレコード
  2. ^ 英語版spoonerismの項を参照
  3. ^ チャンバラ・マンボ (作詞トニー谷・宮川哲夫、作編曲多忠修1953年ビクターレコード
  4. ^ そろばんチャチャチャ (作詞吉川静夫、作編曲大村能章1955年ビクターレコード
  5. ^ 1954年(昭和29年)オール讀物4月号、トニー谷『サイザンス人生観』


「トニングリッシュ」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「トニングリッシュ」の関連用語

トニングリッシュのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



トニングリッシュのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのトニングリッシュ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS