デジタルサイネージ デジタルサイネージの概要

デジタルサイネージ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/16 23:04 UTC 版)

ニューヨークマンハッタンにあるタイムズスクエア。沢山のデジタルサイネージが見られる。
渋谷駅前の渋谷スクランブル交差点にある屋外用デジタルサイネージ4面。左から「DHCチャンネル」、「Q'S EYE」、「グリコビジョン」、「109フォーラムビジョン」。
空港のデジタルサイネージの例。ジュネーブ空港の出発便案内。
旅行者を対象としたタッチパネル式デジタルサイネージ。東京駅付近。

内蔵記憶装置に多数の表示情報を保持することで必要ならば秒単位で表示内容を切り替えたり動画表示を行うなど、多様な映像広告を展開できる。ネットワーク対応機の場合は、デジタル通信で表示内容を受信可能である。

呼称

別名として、ダイナミック・サイネージ、インタラクティブ・サイネージ、ナロー・キャスティング、映像配信、音声配信、デジタルPOP、デジタル・サイン、デジタル掲示板、デジタル表示サイネージ、デジタル・コンテンツ配信システム、電子POP、電子ポスター、電子ボード、電子情報ボード、電子ディスプレイ、電子看板システム、電子掲示板、電子広告板、流通向け情報配信、コーポレート・コミュニケーション・テレビ、イルミネーション・サイネージなどがあるが、すべて同等のシステムの呼称である。アウト・オブ・ホーム・アドバタイジング(OOH、直訳は家庭外広告だが、相当する日本語は「屋外広告」である)の一種。

装置の仕組み

表示装置
各種電子機器によって文字・動画・静止画を表示する。表示面積は建物の壁面サイズから自動販売機内蔵の小窓表示部サイズまでさまざまある。繁華街やビル上などの大型ディスプレイや、家庭用テレビ用モニターをはじめ、表示部が小さくても良い広告環境での展開もあり、モニターサイズのバリエーションがある。2020年代現在はLCDLED有機EL、映像プロジェクターなどが使用されている。過去にはブラウン管VFDプラズマディスプレイなどがあった。
コントロール部
映像表示制御部や通信制御部と共に記憶装置を備え、動画や静止画の情報を保持する。
デジタル通信路
公衆回線等で広告配信元から表示情報を受け取り、必要なら動作確認を返す。(スタンドアロン機の場合は省略される)
ストレージ
広告用の各種情報を保存する。内蔵メモリの他、メモリーカード等で拡張が可能となっている場合が多い
ソフトウェア
直接記憶媒体やPCから配信することも可能だが、予約配信や期限を決めたり、SNS連携などより詳細な設定を好む場合はデジタルサイネージソフトウェアの導入を検討することが多い。

デジタルサイネージの配信方法

USB型デジタルサイネージ

多くの場合USB型デジタルサイネージが最も安価で導入コストが抑えられるため、導入数も多い。導入業界も幅広く、様々な業界で用いられる。

ネットワーク型デジタルサイネージ

有線で直接PCとディスプレイモニターを接続する有線ネットワーク型デジタルサイネージとPCやスマホから同じWi-Fiを経由して伝送(ミラキャストなど)する無線方式の2つがある。

クラウド型デジタルサイネージ

近年少しずつ増え始めているクラウドへデータを保存し、それをインターネット経由で配信する手法。多店舗展開または店舗内の複数のディスプレイを設置している企業での利用が多い。

※多くの場合、デジタルサイネージソフトウェアであればNoviSign[1]のようにCMSと一体化していることが多いので作成も配信も管理も全てソフトウェア内で行う事が出来る。

利点

  • テレビCMのように不特定多数に同じ広告を流すのではなく、設置場所の地域性を考慮した視聴者ターゲットの設定を行い、その特定層に焦点を絞った広告メッセージが発信できる。
  • ネットワーク対応機の場合は、通信ネットワークを使ってリアルタイム操作・情報配信が可能。またスタンドアロン機の場合も多くの場合USBメモリSDメモリーカード等の記憶媒体を介し、表示される広告内容を随時変更できる。したがって、最新情報が提供できるため視聴者の注視度が高まる。また、設置地域に即したリアルタイムなキャンペーンなどの情報配信が可能となる。
  • ポスターやロール・スクリーン看板のような印刷物の取替えの手間がかからない点は、人件費の大きなコスト削減となり、多数の広告の表示内容の切り替えがいちどきにできる。
  • 動画が表示できるために、視聴者の注目度が高まる。
  • 1台の表示機でも複数の広告主に対して、広告表示枠を秒単位で切り売りできる。
  • ビデオ・ウォールやイルミネーションとしての使い方にも発展させることができる。

上記の点で、従来の紙のポスターや同じ静止画を切り替えるだけのロール・スクリーン看板、同じ動画映像を(比較的小さな画面で)繰り返し再生するだけのビデオ・ディスプレイと比べて、優れた広告効果が期待できる。


  1. ^ NoviSign クラウド配信型デジタルサイネージ” (2015年10月15日). 2022年4月15日閲覧。
  2. ^ CEATEC JAPAN 2015 出展者詳細情報
  3. ^ 野澤哲生「デジタル・サイネージ」『日経エレクトロニクス』第985巻2008年8月25日号、日経BP社、2008年8月、ISSN 0385-1680 
  4. ^ ローコストLEDに有望材料、ペロブスカイト半導体


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