セリー・オーク セリー・オークの概要

セリー・オーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/24 00:55 UTC 版)

セリー・オーク

南向きにノースフィールド方面を眺めた、セリー・オーク・ハイ・ストリート(ブリストル・ロード、A38
セリー・オーク
ウェスト・ミッドランズにおけるセリー・オークの位置
英式座標 SP041823
都市バラ
都市カウンティ
リージョン
構成国 イングランド
イギリス
郵便地域 BIRMINGHAM
郵便番号 B29
市外局番 0121
警察 ウェスト・ミッドランズ
消防 ウェスト・ミッドランズ
救急医療 ウェスト・ミッドランズ
欧州議会 ウェスト・ミッドランズ
英国議会
場所一覧
イギリス
イングランド
ウェスト・ミッドランズ
北緯52度26分19秒 西経1度56分28秒 / 北緯52.4387度 西経1.9411度 / 52.4387; -1.9411座標: 北緯52度26分19秒 西経1度56分28秒 / 北緯52.4387度 西経1.9411度 / 52.4387; -1.9411

地名の由来

セリー・オークは、かつてはエセリー (Escelie) という名で知られていた[1][2]。「セリー (Selly)」という名は、"scelf-lei" すなわち「棚状の牧草地」に通じ[1]、おそらくは第四紀におけるハリソン湖 (Lake Harrison) の形成と消失の後に残された氷河堆積物からなる地形のことであろう。

W.Stone による油絵「The Old Selly-Oak Tree」(1897年)
セリー・オークの伐採、1909年

「オーク (Oak)」の部分は、ブリストル・ロード (Bristol Road) とオーク・トゥリー・レーン/ハーボーン・レーン (Oak Tree Lane/Harborne Lane) の交差点にかつて存在していた大きなオークの木に由来している。木があった場所は、オーク・トゥリー・レーンの北側にある店のひとつの上に掲げられた、「オーク・トゥリー・プレイス (Oak Tree Place)」と記された1880年の古いヴィクトリア朝時代の街路名標識で示されている[3]

オークの木

ここにあったオークの木は、最終的には1909年に伐採されたが、これは、その少し前から、木の近くに家屋が建て込んで根を傷つけ、倒木の危険があるのではないかと危惧されたためであった。木は倒された後、切断されたが、切り株はセリー・オーク公園 (Selly Oak Park) に移設されて現存しており、「セリー・オークの名の由来となったオークの古木の切り株。セリー・オークのオーク・トゥリー・レーンから1909年に移設。」と記された真鍮の銘板が付けられている[4]。2011年の時点では、切り株はほとんど腐ってしまっており、真鍮の銘板も腐食が進んでいたため、セリー・オーク公園友の会 (the Friends of Selly Oak Park) によって銘板はレプリカに取り替えられた。取り外されたもともとの銘板は友の会によって保管されている。切り株の残骸はそのまま公園に残されている。

セリー・オークという地名の最も早い時期の記録は1746年のものであり、当時セリー地区が含まれていたノースフィールド・アンド・ウィーリーのマナー(荘園) (the Manor of Northfield and Weoley) の文書に現れる[5]。セリー・オーク公園に移されたオークの古木の切り株を使った年輪年代学による分析の結果、この木が育ち始めたのは1710年から1720年にかけてのころであったことが判明している[6]。したがって、この木がランドマークとなったのは、ウスターシャー州のブロムスグローヴ (Bromsgrove) からバーミンガムまで、現在のブリストル・ロードがターンパイク(有料道路)として開通した1727年の以降のことである[7]。 元々この地にあったキングズ・ノートンからハーボーンへの道(現在のオーク・トゥリー・レーン/ハーボーン・レーンに相当)とブロムスグローヴからバーミンガムへの道(現在のブリストル・ロード)の交差点は、セリー・オークと呼ばれるようになる前にはセリー・クロス (Selly Cross) と称されていたようで、16世紀の文献には Selley Crosse(1549年)、 Selley Cross(1506年)などと記録されている[8]

ここにあったオークの古木について、サラ (Sarah) ないしサリー (Sally) という名の魔女に因んでセリー・オークと呼ばれるようになったとする俗説があるが、これには根拠はなく[9]、おそらくは、地名が("Selly" ではなく)"Sally" と綴られることがあったり、地元の人々が「サリー」に近く発音することを踏まえて後から考えだされたものであろう[10]。実際、1789年にジョン・スネイプ (John Snape) が作成した運河地図には、地名が Sally Oak と記されていた[11]

1985年3月、交差点周辺の道路改良工事の竣工を記念し、「新しい」セリー・オークが、ブリストル・ロードの北側、ハーボーン・レーンとセインズベリー (Sainsbury's) の店舗敷地に囲まれた小さな三角地に、地元の自治体関係者によって植えられた[12]。さらに2000年10月には、2本目の「新しい」セリー・オークが、ブリストル・ロードの南側の Bentella's Corner、元の古木があった場所からみてオーク・トゥリー・レーンの反対側に植えられた[13]。さらにもうひとつ、3本目の「新しい」セリー・オークと言える木が、セインズベリーの駐車場に隣接した、1993年まで The Great Oak というパブの建物があった跡地に植えられている[要出典]。これらのオークの木は、[いつ?] いずれも存続している。




  1. ^ a b Maxam, Andrew (2004) Selly Oak & Weoley Castle on Old Picture Postcards: Reflections of a Bygone Age, (Yesterday's Warwickshire Series; No. 20); Introduction ISBN 1-900138-82-4)
  2. ^ ドゥームズデイ・ブックにもこの名で記載がある。
  3. ^ Maxam, Andrew (2004) Selly Oak & Weoley Castle on Old Picture Postcards: Reflections of a Bygone Age, (Yesterday's Warwickshire Series; No. 20); caption 25 ISBN 1-900138-82-4)
  4. ^ Dowling, Geoff; Giles, Brian; and Hayfield, Colin (1987) Selly Oak Past and Present: a Photographic Survey of a Birmingham Suburb. Department of Geography, University of Birmingham; p. 2
  5. ^ Baker, Anne; Butler, Joanne; and Southworth, Pat (2002) 'How Did The Oak Get Into Selly', in: Birmingham Historian, Issue 23, October 2002, p. 7 Birmingham & District Local History Association.
  6. ^ Leather, Peter, 'Old Oak Gives Up Secrets', Birmingham Evening Mail, 7 June 2001, p. 9
  7. ^ The Statutes at Large, of England and of Great-Britain: From Magna Carta to the Union of the Kingdoms of Great Britain and Ireland, Vol. VIII, p. 831 (1811)
  8. ^ Page, William and Willis-Bund, J. W. (eds) (1913) Victoria County History of The Counties of England: a History of Worcestershire, Vol. III., p. 194 Institute of Historical Research, University of London
  9. ^ Leonard, Francis W., The Story of Selly Oak Birmingham, p. 2 (St Mary's Parochial Church Council, 1933)
  10. ^ Butler, Joanne, Baker, Anne and Southworth, Pat, 'Back to roots: Dates don't support Selly witch theory', Birmingham Evening Mail, January 2001
  11. ^ Snape, John 'Plan of the Intended Navigable Canal from Birmingham to Worcester', 1789
  12. ^ 'Putting the oak in Selly Oak', Birmingham Evening Mail, 29 March 1985
  13. ^ 'From a great oak - a little sapling is set to grow', Birmingham Evening Mail, 14 October 2000
  14. ^ a b Maxam, Andrew (2004) Selly Oak & Weoley Castle on Old Picture Postcards: Reflections of a Bygone Age , (Yesterday's Warwickshire Series; No. 20); caption 19 ISBN 1-900138-82-4)
  15. ^ Selly Oak Library”. Birmigham City Council. 2012年3月11日閲覧。
  16. ^ Selly Oak Library Local History Group”. Birmigham City Council. 2012年3月11日閲覧。


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