ジョン・グレッサム・メイチェン メイチェン論争へ

ジョン・グレッサム・メイチェン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/12 15:12 UTC 版)

メイチェン論争へ

プリンストン 1918-1926

ヨーロッパから帰国した後, メイチェンは新約聖書の学者として働きを続けた。彼は増大する疾病に喩えられる近代主義神学(モダニズム、リベラル)と、議論できる本物の学者であると評価された。

『パウロ宗教の起源』The Origin of Paul's Religion (1921年)は、メイチェンの最も有名な学術書である。 この本では、「使徒パウロの宗教がギリシア哲学に基づいたものであり、イエス・キリストの宗教と別のものだ」という、リベラル神学の主張に反駁した。

キリスト教とは何か-リベラリズムとの対決』(キリスト教と自由主義神学)Christianity and Liberalism (1923年)は、近代神学を批評したメイチェンの本で、キリスト教と自由主義神学の相違点を比較している。彼はこの本で「自由主義神学はキリスト教とは別の宗教」、「現代におけるキリスト教の主要な敵は、自由主義神学である。」、「キリスト教は聖書の上に立てられているが、自由主義神学は罪人の感情の上に立てられる。」と結論付けた。

『基督教とは何ぞや』角田桂嶽訳、1933年

これらの本はメイチェンを長老教会の中である神学的陣営に立たしめた。1920年代の彼の働きは、プリンストンと福音的な長老教会での働きにさかれた。 メイチェンは保守的な神学的立場にあったが、大衆的なキリスト教根本主義の運動を完全には受容できなかった。彼はキリスト教根本主義の運動で多くの人が信じた前千年王国説等を認めなかったが、それは改革派神学こそが聖書的なキリスト教信仰であるという立場によった。-この神学が当時のキリスト教根本主義運動に欠けていたと彼は考えた。さらにメイチェンの学者としての働きと近代神学に対する力は、根本主義運動の一部に見られた反知性的な態度と相容れなかった。

論争

1924年-1925年にプリンストンの学部における彼の立場が難しくなった。長老教会が学部が二つの派に分かれていることについて質問したからである。メイチェンは答えて教理の重要な違いにあると述べた。彼はチャールズ・アードマンが教理的な誤りを容認した事実を指摘した。アードマンはドワイト・ライマン・ムーディーを持ち出し「論争家はキリストに従う者でないとムーディは知っていた」と密かに書いた。

ウェストミンスター神学校

1929年の大会(General Assembly)はリベラルの影響下にプリンストン神学校の再編成を決定し、リベラルのオーバーン宣言(Auburn Affirmation)の署名者を役員に任じた。Auburn Affirmationは、リベラル牧師のハリー・エマーソン・フォスディックが1922年5月に行った説教「キリスト教根本主義は勝利を収めるか?」から起こった論争への回答を批判した、長老教会のリベラル派による回答であった[1]。メイチェンと幾人かの同僚は改革派の正統な神学を継承するためウェストミンスター神学校を設立した。

正統長老教会

1933年、メイチェンはリベラルを危惧して独立したミッション(宣教団体)を設立した。次の長老教会の大会はメイチェンの独立ミッションをやめさせるため、その働きに関係する牧師に最後通牒を突きつけた。メイチェンと7人の牧師がそれを拒んだため、長老教会のミニストリーの執行を停止させられた。そのためメイチェンは正統長老教会を設立した。


  1. ^ 『岡田稔著作集』「私の神学的自叙伝」いのちのことば社。
  2. ^ 『日本基督改革派教会史-途上にある教会』日本基督改革派教会歴史資料編纂委員会。


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