シートベルト シートベルトに関する機構

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シートベルト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/24 00:06 UTC 版)

シートベルトに関する機構

シートベルトを着用する際の安全性と快適性の向上のために、さまざまな機構が開発されている。

座席ベルト非装着時警報装置

運転者席や助手席のシートベルト装着を喚起するための装置。

  • 初期警報
    • 運転者席や助手席のシートベルトが装着されていない状態で電源を投入した際に、音または表示により警報を発する。
  • 走行時警報(シートベルト・リマインダー)
    • 運転者席や助手席のシートベルトが装着されていない状態で一定の速度・時間・距離を走行した際に、音または表示により警報を発する。

助手席用のものは、助手席が無人の時には作動する必要はないため、普通はシートの下に重量センサーが取り付けられており、人が座った重みでセンサーが作動して着席している事を感知するようになっている。そのため、助手席にスーツケースやスーパーの買い物袋など、ある程度の重量のあるものを置くと、座っているのが人でなくともその重みで作動して、警報を鳴らしてしまうこともある。

日本では、道路運送車両の保安基準第22条の3第4項により、乗車定員10人未満の普通自動車・小型自動車・軽自動車に装備が義務付けられている。

ベルト巻き取り装置(リトラクター)

シートベルトの着用を容易にするための装置。安全性の向上にも利用される。

非ロック式巻き取り装置 (NLR ; Non Locking Retractor)
通常時にベルトを巻き取り収納し、小さな力でベルトを引き出せるようにした装置。現在は、ほとんど使用されていない。
自動ロック式巻き取り装置 (ALR ; Automatic Locking Retractor)
非ロック式巻き取り装置の発展形。引き出したベルトを任意の位置で停止させることで自動的にロックする。ロック時は巻き取り方向にのみ動き、それ以上引き出せなくなる。現在は、ほとんど使用されていない。
緊急ロック式巻き取り装置 (ELR ; Emergency Locking Retractor)
自動ロック式巻き取り装置の発展形。平常時は装着者の身体の動きを阻害しないように強く拘束せず、衝突時にベルトをロックする。車体の傾き、車両の減速度、ベルトの引き出し速度を感知して作動する。ALR/ELR式を含めて現在、主流で使われている。
ALR/ELR式 (Automatic/Emergency Locking Retractor)
通常はELRシートベルトとして機能するが、一定以上ベルトを引き出すことでALR式にベルトをロックする。ロックがチャイルドシートの固定を主な目的としていることから「チャイルドシート固定機能付きELR」とも呼ばれる。

その他の装置

プリテンショナー装置
衝突を感知した際に自動的にベルトを巻き取ることで、乗員の拘束開始を早める装置。単にベルトをロックするのではなく、積極的に巻き取って乗員を座席に固定することを目的とする。火薬を発火させて、その推進力で緩んだベルトを瞬時に巻き取り、衝突直後の乗員の移動量を軽減しシートベルトの機能を高める装置。リトラクター装置につけるもの・バックルベルトにつけるもの・ラップベルトの取り付け金具に取り付けるものなどがある。シートベルトを緩ませたまま固定するようなアクセサリーを使用している場合、正常に動作しないため危険である。
エネルギー吸収装置(フォース・リミッター/ロード・リミッター)
衝突によりシートベルトに一定の荷重がかかると、それ以上の荷重をかけないようにベルトの拘束を段階的に緩め、乗員の身体にかかる負荷を軽減する装置。ベルト巻き取り装置(リトラクター)の回転シャフトにトーション・バーを用いて衝突時にそのバーを捻ることでウェビングを数センチメーター引き出して乗員の身体にかかる負担を軽減する装置。上記のプリテンショナー装着車の場合、まずはプリテンショナーによる拘束動作があり、ロードリミッターが作動するのはその後である。
緊急制動時シートベルト巻き取り制御装置(急ブレーキ連動シートベルト)
ブレーキの踏み込み速度、レーダーによる進路の障害物認知などにより乗員と車両の挙動を予測し、衝突前にシートベルトの巻き取り速度を制御する。衝突前に乗員の拘束開始を行うことが目的だが、障害物の接近を運転手に警告するためにベルトの圧迫で注意喚起する機能を付加したものも存在する。
アジャスタブル・ベルト・アンカー(ハイター・アジャスター)
ショルダーストラップの肩部分について、着用者の体格に合わせて位置(高さ)を調節できる機構。車体のピラー部に取り付けられたレール・アンカーに、ショルダーベルトのスルーアンカー(ベルト通しアンカー)を結合して衝突時にシートベルトが有効に機能する位置(高さ)に固定できる。

注釈

  1. ^ 例外規定・除外規定・車両も大きさ・排気量の規定もあるため、シートベルトをしなくても良いかどうかは確認をとったほうが良い。

出典

  1. ^ ナショナルジオグラフィックス『クラッシュサイエンス』
  2. ^ JAF Traffic Safety Report (PDF)
  3. ^ カーライフマガジン【知って得する、CAR INFO】:シートベルトの正しい装着方法 - タイムズクラブ”. 2009年4月15日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h 第4編付則”. 日本自動車連盟. 2019年10月4日閲覧。
  5. ^ 腹くくりタスキがけ 運転席は3点ベルト」『朝日新聞』昭和49年(1974年)6月8日夕刊、3版、11面
  6. ^ 道路交通法施行令第26条の3の2及び座席ベルトの装着義務の免除に係る業務を定める規則(昭和60年国家公安委員会規則第12号
  7. ^ 海外のシートベルト着用・チャイルドシート使用義務 JAFホームページ 2018年1月28日閲覧






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