ゲンノショウコ 形態・生態

ゲンノショウコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/17 06:10 UTC 版)

形態・生態

多年草[8]は分岐して先端は約30 - 70センチメートル (cm) に斜めに立ち上がって伸びるが[9][21]、下部は地表を這うようにして横に伸び広がり[13][19]、茎葉の全体に毛があり、節の下部は下向きのが生えている[19][8]

は長い柄がついて対生し、掌状に下部の葉は5深裂、上部の葉は3深裂し[17]、幅は3 - 7 cm位[21]。裂片は倒卵形で、先は鈍く尖る[9]。葉の縁は鋸歯型で、柔らかな葉質である[10]。若葉のうちは、裏側には暗紅色の斑点がある[19][12]。幼時は茎が横に張っていないので、有毒植物であるトリカブトなどの類似植物と見誤ることもある[19]。向かい合って対生する葉柄は、交互に長さが異なる[9]

花期は夏から秋にかけて(7 - 10月ごろ)[13][22]は目立ち、紅紫色、淡紅色、あるいは白色で、淡紫色の筋が入った花を咲かせる[13][14][9]。枝先と葉腋から細長い花軸を出した先に花を2個付け[19]、花径は10 - 15ミリメートル (mm) 前後、花弁は5枚で筋が走り、花弁の先がへこむものもある[17]萼片は5つ、雄しべは10ある[10]。花が咲き始めのころは、柱頭の先が1本に見えるが、開花後しばらく経つと5裂する[16]

花が咲き終わったあとにできる果実は、鳥のくちばしのように細長い形をした蒴果を結び[14]、長さは15 - 20 mmほどの線形で毛が密生する[17][21]。熟すと果皮が下から5つに裂開して反り返り、反動で中から5個の種子を1つずつ弾き飛ばす[20][19][16][21]。5裂片は蒴果の先端だけについていて、下方は外側に巻き上がる[19]。種子で繁殖する[13]。種子は光沢がない黒褐色をした楕円形で、長さは2.5ミリメートル (mm) ほど、一端にへそがある[23]


  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Geranium thunbergii Siebold ex Lindl. et Paxton ゲンノショウコ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年3月18日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Geranium nepalense auct. non Sweet ゲンノショウコ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年3月18日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Geranium nepalense Sweet var. thunbergii (Siebold ex Lindl. et Paxton) Kudô ゲンノショウコ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年3月18日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Geranium nepalense Sweet subsp. thunbergii (Siebold ex Lindl. et Paxton) H.Hara ゲンノショウコ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年3月18日閲覧。
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Geranium nepalense Sweet f. roseum H.Hara ゲンノショウコ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年3月18日閲覧。
  6. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Geranium nepalense Sweet f. glabratum (H.Hara) H.Hara ゲンノショウコ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年3月18日閲覧。
  7. ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “BG Plants簡易検索結果表示”. 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList). 千葉大学. 2013年9月15日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i 金田初代 2010, p. 40.
  9. ^ a b c d e f g h i j 高橋秀男監修 2003, p. 77.
  10. ^ a b c d e イー薬草・ドット・コム - ゲンノショウコ
  11. ^ a b c d e f g h i j 貝津好孝 1995, p. 32.
  12. ^ a b c 主婦と生活社編 2007, p. 103.
  13. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 田中孝治 1995, p. 84.
  14. ^ a b c d e f g 飯泉優 2002, p. 233.
  15. ^ a b c d e f 稲垣栄洋 2010, p. 92.
  16. ^ a b c 菱山忠三郎 2014, p. 159.
  17. ^ a b c d 近田文弘監修 亀田龍吉・有沢重雄著 2010, p. 127.
  18. ^ a b c 高野昭人監修 世界文化社編 2006, p. 26.
  19. ^ a b c d e f g h i j k l m 馬場篤 1996, p. 52.
  20. ^ a b 稲垣栄洋 2010, p. 90.
  21. ^ a b c d 川原勝征 2015, p. 123.
  22. ^ 亀田龍吉 2012, p. 81.
  23. ^ 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2018, p. 154.
  24. ^ 田中修 2007, p. 115.
  25. ^ 亀田龍吉 2012, p. 80.
  26. ^ a b c d 篠原準八 2008, p. 20.
  27. ^ 金田初代 2010, pp. 40 41.


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