キングダム ハーツ シリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/31 13:14 UTC 版)
キングダム ハーツ シリーズ | |
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ジャンル | RPG |
開発元 |
スクウェア →スクウェア・エニックス |
発売元 |
スクウェア →スクウェア・エニックス |
主な製作者 |
野村哲也 橋本真司 下村陽子 |
1作目 |
キングダム ハーツ (2002年3月28日) |
最新作 |
キングダム ハーツ メロディ オブ メモリー (2020年11月11日) |
公式サイト | スクウェア・エニックス公式 |
概要
ディズニーとスクウェア・エニックスのコラボレーション作品であり、タイトルロゴの上部には「Disney SQUARE ENIX」(実際には両者の間に鍵マークが入る)と記されている[注 1]。2002年から展開されているため、同社の他作品に比べて比較的歴史の浅いシリーズだが、世界的にも人気は高く、2021年にシリーズの世界累計出荷本数は3500万本以上を達成[1]。2005年にスクウェア・エニックスは本シリーズを『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』と合わせ、「三本の柱」と位置付けている[2]。
ディレクターは野村哲也で、それまで主にキャラクターデザインを担当していた彼にとっては、本シリーズの1作目が初めてのディレクション作品となった。また野村はそれ以外にも企画立案、シナリオ原案、コンセプトデザイン、キャラクターデザイン等を手がけている。
なお、タイトルとしては『キングダム ハーツ』というように単語の間に半角スペースを挟んだものが正しく、本項および各シリーズ作品の記事はメーカーならびにアルティマニア等の書籍にて用いられている名称に準じている。作品中に出てくるキーワードとしては半角スペースを挟まない「キングダムハーツ」であり、明確に区別されている。
開発の経緯
事の発端は『FFVIII』の開発中であった。当時スクウェアはウォルト・ディズニー・ジャパンと同じビル(アルコタワー)に置かれており、橋本真司がエレベーターの中でディズニーの幹部からゲームの共同制作を持ちかけられたことから始まっている[3]。話を受けた橋本が坂口博信とゲームの方向性についての話し合いをしている時、その席にたまたま野村も居合わせていた[4]。
野村がデフォルメキャラでのアクションゲームを考案していた中で舞い込んだ話であり、またディズニーのキャラクターは世界中で有名なのにもかかわらず、ゲームにおけるディズニーオリジナルの作品はまだ誰も開拓できていないという思いが野村にはあった[5]。そこで自分の持つゲームの構想とディズニーを合わせれば今までになかったものができると考え、野村が自ら手を上げたことからプロジェクトが始まった。それから一年間、一人でこつこつと企画やゲームデザインを進めていったという[4]。
野村は当時『スーパーマリオ64』のプレイから受けた衝撃を基に、自社においての新たな3Dアクションゲームの開発を希望していたが、社内では「既に世界的キャラクターとなったマリオに対抗するのは不可能」「ディズニー級のキャラが必要」という意見が出た。この意見を覚えていた野村は、後にスクウェアでディズニーのゲーム制作が決まった際に、ディズニーの知名度と世界観を借りて、本シリーズを立ち上げる事となった[6]。
ゲームの内容については、当初スクウェア側はミッキーマウスを、ディズニー側はドナルドダックを主役としたものなどを提案していた。しかし野村はそのどちらでもない、オリジナルキャラクターを主人公としディズニーの世界を冒険するという、現在の『KH』の原型となる企画書を持ち込んだ[7]。交渉は難航したというが、野村は「初めは難色を示されたが、説得できないことはないだろうと思い込んでやっていた」と回想している[4]。
「キングダム」には“ディズニーらしいイメージ”と“自分たちが一から王国を作る気持ち”という意味合いが込められており、この名称での発売が予定されていたが、「キングダム」は既に商標に登録されていたためそのまま使用することはできなかった。そこで作品中でも重要な「心」(ハート)を語呂を良く複数形の「ハーツ」にした上で付け足し、現在の名称に決定した[4]。また、タイトルは最終決定の直前までは「キングダム オブ ハーツ」に決まりかかっていたが、野村の「語呂が良くない」との判断から、文法より語呂を優先し「オブ」をなくしたという経緯がある[8]。
注釈
- ^ スクウェア・エニックスに合併する前のロゴは「Disney SQUARE SOFT」だった。間には同じように鍵マークが入る。
- ^ 原典のインタビューでは「ゼアノート編」と発言しているが、現在は「ダークシーカー編」に統一されているためこのように記述する。
- ^ 『KHIIIリマインド』から75年前の回想シーンからさらに4年前の物語であるため。
- ^ 厳密には『BbSファイナル ミックス』シークレットエピソード終了後。
- ^ 厳密にはDLC『KHIIIリマインド』シークレットエピソード終了後。
- ^ 例外は『KH』のティンカー・ベルのみ。
- ^ 『BbSFM』は通常のシークレットムービーを見るとそのまま新ムービー及びシークレットエピソードに移るが、通常ムービーの条件は例に漏れず緩くなっているため、無印版よりも楽に全てを解禁できる。
- ^ 『バース バイ スリープ ファイナル ミックス』のみ。
- ^ a b 『Re:コーデッド』のみ。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『アンチェインド キー』『ユニオン クロス』のみ。
- ^ a b c 『KHIII リマインド』のみ。
- ^ イベントシーンのみ。
- ^ 作中では渋谷109ではなく「104」の数字が見える。これは『すばらしきこのせかい』シリーズと同様だが、同作の世界そのものという訳ではないと野村は語っている。
- ^ 受賞の展開はいずれかの主人公(テラ、ヴェントゥス、アクア)によって異なる。
- ^ 当時のパスワードはDTDの名前の由来に因んだセブンプリンセスの名前だったが、作中でトロンによりソラたちの名前に変更された。
- ^ チリシィはソラが「何度か勝手に来ていた」と語るが、これ以外で訪れた描写はなく、いつ来たのかは不明。
- ^ 『χBC』では「消滅の運命を回避する希望になるかもしれない」と言っていた。
- ^ 『KHII』『KHIIFM』でのシークレットムービーでは鎧の背中にマントがつけられていたが、マルチプレイでの処理上の問題から『BbS』ではマントを外されている。
出典
- ^ https://www.tokyodisneyresort.jp/tdrblog/detail/pr211110/
- ^ スクウェア・エニックス、和田洋一CEO記者懇親会を開催
- ^ IGN: TGS 2004: Tetsuya Nomura Q&A
- ^ a b c d e f g キングダム ハーツ アルティマニア 野村哲也インタビューより
- ^ 電撃PlayStation Vol.335 野村哲也インタビューより
- ^ a b “『ニンテンドー3DS』ソフトメーカークリエーター 篇 第15回:『KINGDOM HEARTS 3D [Dream Drop Distance』 (2012年4月3日公開)]”. 任天堂株式会社 (2012年4月3日). 2012年4月7日閲覧。
- ^ 週刊ファミ通 2009年7月3日号 野村哲也インタビューより
- ^ 週刊ファミ通 週刊ファミ通 2009年2月13日増刊号 野村哲也インタビューより
- ^ 『キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ アルティマニア』野村哲也インタビューより。
- ^ 電撃PlayStation Vol.463 野村哲也インタビューより
- ^ 週刊ファミ通 No.1347 2014/10/9増刊号 89頁 野村哲也インタビューより
- ^ “【PCブラウザ】KINGDOM HEARTSχ[chi] 正式タイトル&タイトルロゴ決定”. Message from the KINGDOM. スクウェア・エニックス (2013年2月20日). 2013年11月24日閲覧。
- ^ a b c “『キングダム ハーツ4』野村哲也氏インタビュー。バトルコンセプトは“スクラップ&ビルド”、舞台となるクァッドラトゥムの詳細も”. ファミ通.com. エンターブレイン (2022年4月11日). 2022年5月11日閲覧。
- ^ “『キングダム ハーツ』20周年記念イベントリポート。野村哲也氏の振り返りやソラ役入野自由さん、カイリ役内田莉紗さんの思い出トークなども”. ファミ通.com. エンターブレイン (2022年4月11日). 2022年5月11日閲覧。
- ^ スタジオベントスタッフ キングダム ハーツIII アルティマニア 729頁
- ^ a b キングダム ハーツ バース バイ スリープ アルティマニア 野村哲也インタビューより
- ^ キングダム ハーツ 358/2 Days アルティマニア 野村哲也インタビューより
- ^ キングダム ハーツ 3D [ドリーム ドロップ ディスタンス] アルティマニア 野村哲也インタビューより
- ^ “ファミ通.com - 【PS4クリエイターインタビュー】『キングダム ハーツIII』ディレクター野村哲也氏が目指す“いちばん高い山””. ファミ通.com. エンターブレイン (2013年10月16日). 2013年10月29日閲覧。
- ^ 『KHIIFM』購入特典『KINGDOM HEARTS -Another Report-】内「Director's Secret Report XIII」 31-32頁
- ^ 週刊ファミ通 No.1218 2012/4/19日号 101頁 野村哲也インタビューより
- ^ “『キングダム ハーツIII』ディレクター野村哲也氏インタビュー【追記版】”. ファミ通.com. エンターブレイン (2013年7月2日). 2013年7月2日閲覧。
- ^ “『キングダム ハーツ4』続報はいつ? UE5での開発やヨゾラが登場する『VERUM REX』の話題も”. ファミ通.com. エンターブレイン (2022年4月11日). 2022年5月11日閲覧。
- ^ a b c 週刊ファミ通 2011年7月28日号 野村哲也インタビューより
- ^ Official Playstation Magazine 2002年10月号スタッフインタビューより
- ^ a b c ニンテンドードリーム 2009年6月号 野村哲也インタビューより
- ^ キングダム ハーツII アルティマニア 野村哲也インタビューより
- ^ a b c スクウェア・エニックス『キングダム ハーツIII アルティマニア』P.724-725
- ^ 『電撃PlayStation』 Vol.312 野村哲也インタビューより
- ^ キングダム ハーツ アルティマニア P.525 野村哲也のコメントより
- ^ 『ファミ通』2010.02/18発売号、野村哲也インタビューより
- ^ 訪れた世界の住民が自分達と異なる種族だった時など。
- ^ 基本的には訪問者が自ら使用しているようだが、世界によっては訪問者の意思に関係無く自動的に発動するケースも確認されている。
- ^ リロ&スティッチやベイマックスの世界など、現実以上に技術が発展している世界もある
- ^ 『III』のエンディング等。
- ^ “『キングダム ハーツ -HD 1.5 リミックス-』HDでよりキレイになった画面写真と野村哲也氏のインタビューをお届け”. ファミ通.com. エンターブレイン (2012年10月5日). 2015年3月5日閲覧。
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