ガーシア級フリゲート 装備

ガーシア級フリゲート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/22 01:35 UTC 版)

装備

C4ISR

本級を含むSCB-199シリーズは、いずれも海軍戦術情報システム(NTDS)を導入しない手動式の戦闘指揮所(CIC)を基本としていた。ただし「ヴォーグ」「コーレシュ」は、NTDSの対潜版として開発されたASWSC&CS(ASW Ship Command and Control System)を試験的に搭載した[5]。これは、アメリカ海軍の護衛艦(フリゲート)が意思決定機能を有する戦術情報処理装置を搭載した初の例であるとともに、当時対空戦(AAW)を主眼として開発されていたNTDSをASWに応用する試みであった。1969年6月には、「ヴォーグ」がソ連軍ヤンキー型原子力潜水艦を捕捉、以後も追尾を維持し続け、ついに浮上に追い込むという大戦果を挙げて早速有効性を実証し、部隊勲功章を授与されている。その後も運用実績を蓄積し続けており、その成果は後にスプルーアンス級駆逐艦オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートの開発に活かされた[11]

一方、センサはブロンシュタイン級の構成が踏襲された。探信儀はバウ・ドームに収容されており[5]、61・62年度計画艦ではAN/SQS-26AXRが、63年度計画艦ではAN/SQS-26BXが搭載された。またマック上には、対空捜索用のAN/SPS-40、対水上捜索用のAN/SPS-10レーダーが設置された[7]。なお「サンプル」「アルバート・デヴィッド」は、竣工後にAN/SQR-15曳航ソナーを装備したが、1982年に撤去した[8]

武器システム

対潜兵器は、おおむねブロンシュタイン級の構成が踏襲されており、艦橋直前にはアスロック対潜ミサイルのMk.112 8連装発射機が搭載された。ただしブロンシュタイン級では再装填機構を備えていなかったのに対して、本級では艦橋構造物内に予備弾庫を設けて、再装填に対応した。61・62年度艦では人力での再装填であるため、艦橋構造物前面に折りたたみ式のクレーンが設置されているが、63年度艦では、ノックス級用に開発されていた機力による次発装填装置が先行搭載されており、発射機が艦橋構造物に近づけられているほか、上記のクレーンが廃されている[4][8]

魚雷としては、両舷には短距離用の324mm3連装短魚雷発射管(Mk.32)が搭載されたほか、多くの艦では、船尾にも長距離用の533mm連装魚雷発射管(Mk.24/25)が設置された。ただしMk.48魚雷の水上艦発射版の計画中止に伴い、533mm魚雷発射管は後日撤去された[4]。これらを管制する水中攻撃指揮装置(UBFCS)としては、Mk.114が搭載された[10]

艦砲としては、5インチ砲2基が搭載された。当初は新開発の54口径127mm単装速射砲(Mk.42 5インチ砲)も検討されたものの、価格・重量面の問題から、より旧式の38口径127mm単装砲(Mk.30 5インチ砲)が採用された。船尾甲板はヘリコプター甲板とされていたことから、52番砲は中央の上部構造物上に設置された[8]。その射撃指揮は、AN/SPG-35レーダーを有するMk.56 砲射撃指揮装置によって行なわれていた[4]

なお、1967年から1968年にかけて、「ブラッドレイ」においてシースパローBPDMSの試験が行われ、マックと52番砲の間にMk.25 8連装ミサイル発射機が設置された。ただし他の艦への装備は行われず、同艦のシステムも後に撤去されて空母「フォレスタル」に移設された[7][12]

艦載機

設計段階ではQH-50 DASHの搭載が予定されており、船尾甲板をヘリコプター甲板として、その直前にはDASHの無人航空機2機またはHUL連絡ヘリコプター1機を収容できる格納庫が設置されていた[4]。しかしDASHは1960年代末に運用停止となったことから、実際にこれを運用したのは「ブラッドレイ」のみであった[7]

DASHの運用停止に伴い、1972年から1975年にかけて、曳航ソナーを搭載していた「サンプル」「アルバート・デヴィッド」以外の艦は、LAMPS Mk.Iの搭載に対応した改修を受けた[2]。これに伴い、SH-2Fヘリコプターを収容できるよう、格納庫は14.6×5.4メートルに拡大された[1]








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