エレコム 不祥事

エレコム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/27 01:24 UTC 版)

不祥事

GPL違反問題

2004年4月、当社が発売したブロードバンドルータの一部で、WAN側からのroot権限でのコマンド実行が可能などの重大なセキュリティ問題とともに、ファームウェアLinuxカーネルなどGPLにてライセンスされているソフトウェアを利用・改変しているのに、GPLで義務づけられるソースファイルの公開をしていないことが発覚。この問題を発見したユーザーの問い合わせに対しエレコムは、セキュリティ問題について対策する意思がないこと、GPLの対象となるソースファイルを公開する必要性がないと考えている旨を回答。やりとりの一部始終をユーザーが公開した[5]ため、掲示板などを中心にエレコムに対する非難が殺到した[6]

これを受けて当社は2004年4月27日に方針を転換し、セキュリティ対策を施したファームウェアの公開と、GPLに基づいてファームウェアのソースファイルを希望者に送付する見解を発表した[7]

この問題は2004年6月22日の日経産業新聞(10面)でも取り上げられ、当社の商品開発責任者・梶浦ブランド管理マネージャーが、GPLについて「通信機器のようにセキュリティーが絡む製品ではソースを開示すると安全性が低下する恐れがある」、Linuxについて「金輪際使わない」と発言したことも話題となった[8]。子会社のロジテックも含めエレコムが次にLinuxをベースとした商品をリリースしたのは2014年の2ベイNAS「NSR-MS」[9][10]となり、10年間にわたって採用を見送っている。尚、NSR-MSに付いてもソースコードの請求に付いてはサポートに問い合わせるようになっていたが、ユーザーの問い合わせに対して問い合わせの二ヵ月後を目処に公開するという返答[11]をしており、現在では、ファームウェアのアップデータと共にダウンロードが可能[12]になっている。

リサイクル互換インクカートリッジ訴訟

2021年にエレコムは精密機械・ミシン・編み機メーカーのブラザー工業を相手取り、ブラザー製インクジェットプリンターの設計を変えて、純正品以外のインクカートリッジを使えないようにしたとして、設計変更の差し止めと損害賠償1500万円を求める訴えを起こした。

判決によると、ブラザーは2018年12月以後製造した一連のプリンターシリーズで、インクの読み取り機能の設計を変更し、リサイクルを含む互換インクを認識しないように作り替えたとされており、2021年9月30日に東京地方裁判所にて行われた判決の結果、「設計の変更は独占禁止法の不公正な取り引き方法の違反行為に抵触する」として、ブラザーに対して150万円の損害賠償を命ずる判決を言い渡した[13]


注釈

  1. ^ 大阪市中央区瓦町3丁目5番7号(長銀ビル7F)から移転。
  2. ^ 証券所の合併に伴い、2010年4月に大阪証券取引所JASDAQ市場へ上場。

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