ときめきメモリアルONLINE
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/17 13:31 UTC 版)
公認ファンサイト制度とスクリーンショットの使用規定
他社に類を見ない厳格な制度
多くのオンラインゲームでは運営会社の提示する使用規定を遵守することで個人運営のファンサイトにゲーム中のスクリーンショット(以下「SS」)を掲載することが出来たシステムが整備されているが、『ときめきメモリアルONLINE』では他社作品と比較しても非常に厳しい制約が課せられていた。
特にβ1・β2テスト期間中においては参加規約に機密保持条項が盛り込まれていたことに関連してSSもそれに抵触するとしてプレイヤーによるウェブ上掲載及び配布が全面的に禁止されており、プレイヤーらの不満を募らせる一因となっていた。また実際にβテスト期間中に他社のオンラインゲームでは全く問題無い掲載方法であったにも関わらず、コナミからアカウントの剥奪を視野に入れた警告を受けたファンサイト運営者も現れた。
こうしたファンからの不満に対し、β2テスト開幕直前の2006年1月に正式サービス開始以降のSSの使用ガイドラインを定めた「ファンサイト著作物利用規定」が制定された。しかし同時に制定された「ファンサイト応募規約」に則ってコナミに対し公認申請を提出し、審査を受け「公認ファンサイト」として承認されて初めてSSの使用権が与えられるという条項がそこには盛り込まれていた[9]。事実上、コナミの"検閲"を受けなければファンサイトを運営することは出来ないということになり既にファンサイト運営に乗り出していた、あるいは乗り出そうとしていたプレイヤーらの不満を更に強めてしまう事になってしまった[10][11]。
審査基準としていくつかのガイドラインが提示されているが例えば同じコナミの作品であっても、あるいは同じ『ときめきメモリアル』シリーズであったとしても本作以外のゲームの話題を同時に扱うことは一切出来なかった[12]。またアップローダーなど、不特定のユーザーがデータや文章をアップロードできる環境[13]を設置することもガイドライン違反とされた。また公式サイトのトップページ以外へのリンクもガイドライン違反とされ、情報サイトのニュース記事などにおいても当該記事に直接リンクすることは出来なかった。更に攻略情報などのゲーム中のデータ記事も、公認申請が受理されるまでは掲載出来ないとしていた。
当初ファンサイト運営者はこぞって公認申請を提出したが以上の理由により当時運営されていた大規模な情報サイト・攻略サイトなどはほとんどが不合格となり、正式サービス開始と同時に公認を受けることができたのは主に個人のブログなどを中心とした20サイトにとどまった。公認が下りなかったサイトは全面的に改修を行い公認基準を満たして再申請を行うか、あるいは非公認のままでの運営を行う代わりにSSの使用を断念するかの選択を迫られることになる。このため公認基準や上記のゲーム内容自体への不満からサイトを閉鎖し、ゲームそのものからも手を引いてしまったところも現れた。更に、非公認で運営を続けていたとある大規模攻略情報サイトがコナミより閉鎖命令を受けるという事件も発生してしまった。
その一方で、公認を受けることができたファンサイトに関しても運営を続ける限りは半永久的にその厳しい規定に服従しなければならなくなった。例えばコナミは公認サイトのリンク先に規定違反があった場合にも公認を取り消す可能性があるという見解を明らかにしており、事実上公認ファンサイトと非公認ファンサイトの表立った相互交流は認められないとしていた。
また公認ファンサイト規定ではパスワードロックをかけたメンバー専用ページの設置を禁止しており、例えばクラス・グループ内での部外秘の打ち合わせをしたい場合でもクローズドな掲示板やチャットルームを使用出来ないため結果的に外部の会員制SNSなどへのコミュニティの流出を促進してしまっているのではないかという見方もあった。そのため運営者でありコミュニティゲームを自ら謳った筈のコナミ自身が、ユーザーコミュニティの幅を狭めているのではないかとの声が根強かった。
公認ファンサイトは順次追加の認定が行われ2007年6月21日時点で合計145サイトとなったが、本作のゲームそのものの閉塞感を反映するように更新や活動が停滞しているサイトや放棄されてしまったサイトもまた多かった。
また2007年8月1日以後のサービス終了後のSSの扱いについては2007年12月31日16時以降使用不可とするとの通知が各公認ファンサイトの管理者に届けられ、最後まで厳しい規制が緩和される事は無かった[14]。
準公式ユーザーコミュニティ
本作品の関連ネットラジオ(後述)の放送開始と同時に、コナミのグループ企業・インターネットレボリューションが運営するソーシャル・ネットワーキング・サービスサイト・i-revoに『ときめきメモリアルONLINE』の専用ユーザーコミュニティが設立された。関連会社による運営ということから準公式コミュニティとしての位置付けがなされ、ファンサイトでは利用制限の厳しいSSの使用もここでは黙認されていた。
しかし本作品の開発・運営スタッフからはプロデューサーである斎藤幹雄(メタルユーキ)が参加しているのみであったこと、本作品の公式サイトからはリンクされておらず一旦i-revo内のネットラジオのページへ進んだ後にそこからのリンクで行くことしか出来なかったことから来る告知不足、さらに本作品のプレイヤーがゲーム内コミュニケーションを補完するための手段としてソーシャル・ネットワーキング・サービス業界最大手のmixiを選択する傾向が非常に強くi-revo内準公式ユーザーコミュニティの利用者は伸び悩んでいた。
本作と同じコナミ作品かつ『ときめきメモリアル』シリーズである『Girl's Side』シリーズではi-revo上に同様に設立されたコミュニティにプロデューサーを始めとするコナミのスタッフの参加もあり、また公式サイトのトップからもリンクされ純然たる公式コミュニティとして機能しており結果『ときめきメモリアルONLINE』やナンバリングタイトルとの扱いの差が顕在化していた。
- ^ 2007年7月31日でのサービス終了に伴い、同年7月25日の定期メンテナンス後は(卒業式が行われるという意味で)例外的に春の季節仕様になった。
- ^ 公式サイトより:学校統合のお知らせ Archived 2007年3月1日, at the Wayback Machine.
- ^ キャラクター名に関しては当初は重複が発生した場合、統合後先にログインしたキャラクターに優先権が与えられることになっていたが多くのユーザーの反対により変更された。
- ^ 新サーバの学校名は公募で決定されたが、統合計画発表時点では「さつきの高校」「すずかぜ高校」という仮称が用意されていた。これらの校名は本来は「ゆうなぎ高校」の次のサーバ増設時に使用予定だったもので、「さつきの高校」は2006年12月の無料体験プレイキャンペーンで設立された新規サーバの名称として実際に使用された。なお、他には「こはるの高校」という仮称も用意されていた。
- ^ “コナミ:「ときめきメモリアルオンライン」を発表”. MSN毎日インタラクティブ. (2005年2月24日). オリジナルの2005年4月15日時点におけるアーカイブ。 2022年9月24日閲覧。
- ^ そのパッケージのデザインから怪しいダイレクトメールと勘違いされたり、家族などからあれこれと不要な詮索をされたりするなどの事例があり話題となった(β1クライアントパッケージ画像(外部リンク) Archived 2006年7月19日, at the Wayback Machine.)
- ^ ちなみに、コナミは2008年4月から5月に掛けて行なわれたPS3版『メタルギアオンライン』のオープンβテストでも同様の事態を発生させ、20時間以上ログインできないトラブルが生じ延期になっている。
- ^ 4Gamer.netによるβ2テスト回顧記事
- ^ 通常クローズドβではクローズドβテスト時点での内容を公開しないと言ったNDA(non-disclosure agreement:秘密保持契約)が課せられ、殆どの場合オープンβでこの事項が解禁となる
- ^ 公認ファンサイトのススメ(ガイドラインの解説) Archived 2006年9月17日, at the Wayback Machine.
- ^ 公認ファンサイトFAQ(質問と回答) Archived 2006年9月18日, at the Wayback Machine.
- ^ 本作の前身と言われる「ひびきのネット」においても「ときめきメモリアルシリーズ」の内容に関する話題に厳しい制限があり、関連サイトにも適用される制限があった。
- ^ 但しウィキについては極力使用しない方が無難であるという見解を示している。実際にウィキを使用しているサイトも認定されているため、絶対的に使用を許可しないという訳ではないようであった。
- ^ ただし、mixi等のSNSでは現在でも未だに当ゲームのSSを使用している者もいる。これに関してコナミからの警告は来ていない模様。
- ^ 一方、かつて『ときめきメモリアル』や音楽ゲーム関連で数々の訴訟に打って出ていたコナミであり、これらもコナミの典型的な企業姿勢といえるだけに一度打ち出した運営方針を変えることは企業体質的に不可能なのではないかという意見も存在した(コナミの知的財産戦略も参照)。
- ^ しかし実際は「宣伝・広告のための極めて短時間の参加(1時間以内など)」が多く、継続・定期的な参加の報告や予定は示されていなかった。また一部を除き正式サービス開始以降参加実績のない者も多く、当初の「有名人と一般プレイヤーが一緒にゲームに参加する」というコンセプトは実現されなかった。
- ^ 閉店後は「AKASAKA LIVE SPACE TENJIKU」として引き続きアクシス・ミュージックが運営している。
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