S端子による映像出力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 23:45 UTC 版)
「レーザーディスク」の記事における「S端子による映像出力」の解説
1987年(昭和62年)にS端子が発表された後、それ以降に発売されたLDプレーヤーでは多くの場合、RCA端子(コンポジット)出力に加えてS端子出力も備わっている。しかし必ずしもS端子で接続したほうが画質が良いとは限らない。 VHSや8ミリビデオなど、輝度(Y)信号と色(C)信号が分離記録されている場合はS端子で接続したほうがY/C混合・Y/C分離が発生しないため画質が向上する。しかしLDの場合はもともとコンポジット信号で記録されているのでY/C分離は避けられない。プレーヤーとテレビモニタをコンポジットで接続すればモニタでY/C分離することになり、S端子で接続すればプレーヤーでY/C分離することになるため、モニタのY/C分離性能のほうがよい場合はコンポジットで接続する方が画質が向上する。 中・低価格帯でS端子を持つプレーヤーでは、ディスクから読み取ったコンポジット信号がそのまま出力されているわけではなく、プレーヤー内部でY/C分離したものをS端子に出力する一方で再度Y/C混合したものをコンポジット出力しているものが多い。これはコストダウンが理由である。このようなプレーヤーでは、S端子で接続したほうがよい。高級機種では、このようなことをしていないという意味で「ダイレクトコンポジット出力」などと謳っているものもある。しかし高級機器である以上、Y/C分離の性能には優れているため、矛盾した機能でもある。また、歴代のLDプレーヤーで最高級機とされるLD-X1は、Y/C分離した信号をデジタル処理して高画質化を図っているため、ダイレクトコンポジット出力ができない。 なおDVDコンパチブル機の一部はコンポーネント端子を備えるが、同端子からのLDの画像は白黒になってしまうため、この方法での正常な再生はできない。
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