KSD(KSD)
労働省の監督下にある財団法人だ。共済型の災害補償を行う団体として設立された。中小企業の経営者が、KSDの会員になる。相互出資でKSDに会費を納入する代わり、会員はケガや死亡のさいには補償を受ける。「事故にも安心」ということを売りにして、KSDは全国で100万人にも上る会員を集めていた。また事業収入は年収で240億円にも達していた。
KSDの会員の多くは、商店経営など零細経営者だ。こういう人が、不慮の事故に備えてKSDに会費を払っていた。法人、個人を問わず事業所単位で、KSDの会員になる。会員は、相互出資でKSDに会費を納入する代わり、不慮の事故や死亡のさいには補償を受ける。そのほか、災害時の補償、仕事あっせんなどの福利厚生サービスを利用できる。
KSDは、この資金を悪用した。KSDの前理事長古関忠男らが、業務上横領の疑いで東京地検に逮捕されている。前理事長は KSDの資金を私物化し、総計8000万円もの資金を知り合いの女性に流用した疑いがもたれている。そのほか、自民党とKSDとのつながりが明らかになってきている。KSDは、関連団体を通して自民党政治団体に年間5000万近い寄付を行っていた。
村上正邦参院議員に対しては、「ものつくり大学」の政治的後押しを依頼し、見返りとして金銭的謝礼を提供していた。村上氏は1996年の参議院本会議で「ものつくり大学」に関する代表質問を行う代わり、議員事務所の家賃を肩代わりするなどの金銭的報酬を受け取ったと見られている。
労働省とKSDとのつながりも明らかになってきている。KSDには労働省OBが、17人も天下りをしている。監督をすべき立場の官僚がKSDに天下り、喜んで退職金などをもらっていたというわけだ。
(2000.11.12更新)
あんしん財団
(Ksd から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/03 04:53 UTC 版)
一般財団法人あんしん財団(あんしんざいだん)は、中小企業における特定保険業の実施、災害防止活動の促進などを行っている法人。かつての略称であるKSDは、「経営者」「災害」補償事業「団」の三文字から来ている。
- ^ 法人概要 | 企業保険なら月々2000円のあんしん財団へ
- ^ “転勤命令に違法判決 東京地裁”. 読売新聞: pp. 朝刊39面. (2018年2月27日)
- ^ “一般財団法人あんしん財団事件(東京高裁平31.3.14判決)~配置転換命令とそれに伴う降格処分,職種変更等の有効性等~”. 労働判例 (株式会社産労総合研究所) 1205: 28. (2019年10月1日).
- ^ “本誌未搭載判例リスト 一般財団法人あんしん財団事件(最高裁三小令 2.3.10決定)”. 労働判例 (株式会社産労総合研究所) 1220: 28. (2020年6月15日).
- ^ “労災被害者に損害賠償請求/あんしん財団/女性職員が「反訴」申し立て”. 連合通信社 (2021年5月20日). 2021年9月4日閲覧。
- ^ “31不3”. www.toroui.metro.tokyo.lg.jp. 2021年9月4日閲覧。
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