国鉄EF70形電気機関車
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EF70形電気機関車(EF70がたでんききかんしゃ)は、1961年(昭和36年)に登場した日本国有鉄道(国鉄)の交流用電気機関車である。
注釈
- ^ 出力を見れば直流F形機が交流D形機を大きく上回っているが、交流機は直流機より車輪粘着性能が良いため、計算上は牽引力が同等になる。だが、これは一般的条件における直流機と、最高条件時の交流機との比較にすぎず、やや過大評価に過ぎたという意見が当時より国鉄部内にはあった。
- ^ 同様に急勾配区間での使用を考慮し、F形で製造されたのが奥羽本線板谷峠対応のEF71形である。
- ^ 2次側電圧は順に65, 99, 135, 173, 217, 260, 303, 347, 390, 433, 476, 520, 563, 606, 650, 693, 736, 780, 823, 866, 910, 953, 996, 1040, 1080 V。
- ^ 逆耐圧 (PIV) 1,000 V・逆耐圧(インパルス)1,300 V・平均電流100 A。
- ^ 115秒間の短時間に限り定格電流4,680 Aを許容する。
- ^ シリコン整流器自体は1960年(昭和35年)に試作されたEF30 1が初採用であるが、同機の運用においては交流区間が短いことから、交流区間での出力を小さくした特殊設計であった。このため、本格的な本線用として採用するには大容量シリコン整流器の開発が急務とされており、本形式で初めて本格的に搭載されることとなった。
- ^ ノッチ数25段+弱め界磁1段。本形式では貨客両用とするため、界磁率70 %の弱め界磁制御を搭載しており、これにより高速域での走行性能を改善している。
- ^ 交流機も交流電流を整流器で直流に整流した上で駆動する整流器方式を採用しているため、交流機と直流機で主電動機を共通化することが可能である。
- ^ 端子電圧900V時1時間定格出力475 kW、定格回転数1,100 rpm、あるいは端子電圧750V時1時間定格出力425 kW。端子電圧設定が架線電圧に制約される直流用とは異なり、出力変圧器のタップで比較的自由に設定可能な交流での使用においては、定格電流量を直流用と同水準 (570 A) としつつ絶縁材の耐性を最大限生かすことで端子電圧900Vとして定格出力が設定されており、本形式と前後して量産が開始されたイグナイトロン整流器搭載のED72.73形ではこの値を採用している。ただし、本形式ではシリコン整流器の制約から端子電圧は直流機と同じ750Vとなっており、1時間定格出力も同様に整流器の出力の制約故に直流機よりも低い375 kW(1次形)あるいは383.3 kW(2次形)として扱われている。なお、MT52は本形式以後に製造された国鉄電気機関車のうちEF66形とEF80形以外のすべてに採用されている。
- ^ EF60形などで採用されていたMT49Bは自重2,200 kgで1時間定格出力400 kW、定格回転数1,200 rpmを公称したが、MT52形は1時間定格出力が425 kWと6.3 %増えたものの自重が2,800 kgと27.3 %も増大しており、額面上はともかく実質的な出力ではMT52形はMT49B形に劣ることになる。
- ^ EF60 15 - 83およびEF61形に通じるスタイルであるが、本形式ではスカート部に設置された電気暖房用ジャンパ連結器を避けるため、EF65形500番台やEF81 1 - 38同様に前面通風口を前面飾り帯下部に設置している相違点がある。
- ^ 後年、一部の車両を除いて101系電車・103系電車・EF58形・ED60形(阪和線向けのみ)・EF30形のようなシールドビーム2灯式に改造(いわゆる「豚鼻」化)された。
- ^ 最終増備グループの九州転出に伴い、1次形が(部品供給用になっていたEF70 1を除いて北陸本線の運用に復帰)結果として末期まで1次形が使用され、1985年(昭和60年)3月24日の「EF70形・旧型客車引退さようなら列車」の牽引機も1次形のEF70 13, 18であった。
- ^ 本形式は運転整備重量96 tで軸重16 t、つまり戦前の甲線規格を満たす重軌条が敷設された幹線系統でしか使用できなかった。
- ^ しかし、偶然にも80号機が『あかつき』3号(長崎編成)牽引に充当しているシーンを、西村京太郎トラベルミステリー『寝台特急「あかつき」殺人事件』の収録時に捉えられている。本放送は1983年10月1日だったため、時期的に1982年11月ダイヤ改正後も熊本以南に入線しない『さくら』『みずほ』『あかつき』の運用についていたと思われる。
- ^ 1983年(昭和58年)4月時点で、敦賀第二機関区所属の49両中19両が休車、富山第二機関区所属機は11両全機が休車に追い込まれ、稼動機は半数の30両にまで落ち込む有様だった。
- ^ 多くの標準型直流機と同じくF形の本機は、それなりの高速運転に耐える性能と電気暖房装置を有し、機械関係も主電動機をはじめとして新性能直流電気機関車と互換性があった。したがって、主変圧器や整流器などの交流機器を主抵抗器および単位スイッチ式あるいは電動カム軸式の主制御器に置き換え、補助電源用インバータを搭載することで抵抗制御方式の直流電気機関車に改装可能と考えられた。
- ^ 当時の鷹取工場は交流機関車の保守は担当していない。
- ^ 山岳路線用で低速機のEF62は長距離高速運転性能の必要な荷物列車運用で故障を続発させたものの、この運用自体が1986年(昭和61年)のダイヤ改正による荷物列車そのものの廃止で消滅し、長期問題とはならなかった。
出典
- ^ 広田尚敬 (2000-8-10). 20世紀なつかしの機関車 ヤマケイブックス. 山と渓谷社. ISBN 4-635-06802-1
- ^ 『鉄道ピクトリアル』1989年12月号(通巻520号)p.92
- ^ 松任青少年センターで四半世紀余 アーカイブ 中日新聞 2014/6/14
- ^ 鉄道ホビダス 2016年2月4日 【石川県】旧列車ホテル「なかよし号」 解体撤去始まる2018年]月17日閲覧
- ^ 交友社『鉄道ファン』1999年10月号 通巻462号 p.106(印刷直前に飛び込んで来た情報として速報を掲載)
- ^ 産業技術史資料データベース 日本国有鉄道 EF70 1003号 電気機関車 EF70/国立科学博物館 産業技術史資料情報センター2014年6月15日閲覧
- ^ 白川淳『全国保存鉄道II』「歴史的車両全リスト3700両」(1994年 JTB)
- ^ 交友社『鉄道ファン』1996年7月号 通巻423号 p.149
- ^ マイロネBOOKS 笹田昌宏『「ボロ貨車」博物館 出発進行! 』第1章『その前に、電気機関車をもらった話から』(JTB 2004年)
- ^ 鉄道ジャーナル社『旅と鉄道』No.117<'99冬の号>、1999年、p.120「保存車両に愛を」(笹田昌宏)
- ^ 福井の眼鏡フレーム製造「長谷川眼鏡」が自己破産申請し倒産へ - 不景気.com(2010年12月21日)
- 1 国鉄EF70形電気機関車とは
- 2 国鉄EF70形電気機関車の概要
- 3 運用
- 4 保存機
- 5 脚注
固有名詞の分類
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