EC法の採用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/11 08:05 UTC 版)
「1972年欧州共同体法 (イギリス)」の記事における「EC法の採用」の解説
「2011年欧州連合法(英語版)」も参照 イギリスの裁判所の見解では、1972年加入条約と1972年欧州共同体法によりEU法(制定時点ではEC法、本節では「EU法」表記に統一)がイギリスの国内法に優先すると定められた。EU法の優先はEC/EUの基本条約で明示的に定められたことではなく、主に欧州司法裁判所(英語版)(ECJ)により発展した理論である。ECJは国内法がEU法に優先する場合、条約の目的が果たされなくなるとして、EU法が国内法に優先するという見解(いわゆる国際法における一元論(英語版))を示したが、イギリスなど多くの加盟国の裁判所はこの見解を受け入れていない。イギリスの憲法は議会主権に基づいており、国際法と国内法の関係にあたっては二元論の立場をとっている。すなわち、他国との条約は国内の制定法を経由しなければイギリス法に組み入れられないという立場である。従って、イギリスにおけるEU法優先は1972年欧州共同体法に基づいているだけであり、同法が廃止されると、国内立法を経ていないEU法はイギリスに適用されなくなり、1972年欧州共同体法によりEC/EUの組織に委ねられた権力はイギリスの議会に返還される。これは後の2011年欧州連合法(英語版)第18条(通称「主権条項」(sovereignty clause))で改めて明示された。
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