62-12200号機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 06:07 UTC 版)
「F-4 (戦闘機)」の記事における「62-12200号機」の解説
5,000機近く生産されたF-4の中でも特にその姿を幾度も変えたのが62-12200号機だった。元々はアメリカ海軍向けF-4Bの一機として生産された機体だが後にアメリカ空軍からの発注を受けてF-4C型にして納入された後、機首部分に偵察カメラや機材が積まれて戦術偵察型RF-4Cの原型機となった。 RF-4C原型機は試験終了後に今度はF-4Eの原型機として使用された。この改修ではカメラ搭載スペースに機関砲を搭載しレーダーを小型のものに変更している。F-4Eの原型機テストの終了時には62-12200号機をF-4Cに戻して実働部隊へ復帰させることは不可能となったため、「ボロン」「ベリリウム」などの新素材の検証や耐性強度テストなどに転用された。 更に同機は「アジャイル・イーグル計画」にも使用され、戦闘機の空戦時の運動能力向上のための前縁スラットを取り付けられた。アジャイル・イーグル計画の終了後は当時実験段階だった「フライ・バイ・ワイヤ」のテスト機として改修を受けている。この時エアインテーク部分にカナード翼が取り付けられた。 62-12200号機は1979年1月に退役、オハイオ州のアメリカ空軍博物館に展示されることとなった。度重なる改良で得られたデータはその後の様々な新型機開発に役立てられている。
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