1990年代中頃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 18:47 UTC 版)
この時期は、ハードウェア的にはPC-9800シリーズからPC/AT互換機へ、ソフトウェア的にもCUIのDOS系OSからGUIのWindowsへの移行期であった。この頃のアダルトゲームは「どうゲームとして面白くするか」が試行錯誤された時期であった。その中で、プレイヤーの選択によって異なる物語と結末が訪れるマルチシナリオ・マルチエンディング形式のゲーム『弟切草』(1992年、チュンソフト)がスーパーファミコンで発売されヒットする。この作品のシステムはアダルトゲームにも大きな影響を及ぼした。アダルトゲームでマルチシナリオを確立させたのは『河原崎家の一族』(1993年、シルキーズ)で、その後『DESIRE 〜背徳の螺旋〜』(1994年、シーズウェア)、『EVE burst error』(1995年、シーズウェア)へと発展してゆく。 1990年代半ばには、エルフとアリスソフトの2社を中心とした開発競争が繰り広げられ、「西のアリスソフト、東のエルフ」 と呼ばれるようになった。この競争の過程で、ファンタジーアドベンチャーとウォーシミュレーションを融合させた『ドラゴンナイト4』(1994年、エルフ)、本格的ダンジョンRPGの『闘神都市II』(1994年、アリスソフト)、迷宮脱出推理アドベンチャーの『遺作』(1995年、エルフ)、マルチシナリオの『夢幻泡影』(1995年、アリスソフト)、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』(1996年、エルフ)、地域制圧型シミュレーションの『鬼畜王ランス』(1996年、アリスソフト) など、多様なジャンル・形式のアダルトゲームが登場した。 このように多様化したジャンルの中で発展を遂げていったのは、より恋愛物語色を強めた『同級生』の後継作『同級生2』(1994年)で、以降のアダルトゲームはセックス描写を含む恋愛物語要素やシナリオを重視した、選択肢とイラストが付いた読み物とでも言うようなトレンドに傾いていく。 『SM調教師瞳』(スーパーファミコン向け)や『しあわせうさぎ』(PCエンジン向け)など、家庭用ゲーム機対応の「裏ソフト」と呼ばれる物が発売されたのもこの頃である。
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