1921年の条約の拡張と国際単位系
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「メートル条約」の記事における「1921年の条約の拡張と国際単位系」の解説
詳細は「国際単位系」を参照 メートル条約は、当初、長さと重さの標準を提供する目的で立案された。ほかの量に関する標準は、別の組織の管理下にあった。時間の単位は天文学者により維持され、電磁気の単位は一連の特別国際会議により定義された。その他の物理の標準と概念は国際純粋・応用物理学連合(IUPAP)や国際応用化学会議のような国際的な団体により維持または定義された。 1901年、ジョヴァンニ・ジョルジは、4つの基本単位に基づく一貫した単位系を作るための提案を発表した。4つの基本単位とは、メートル、キログラム、秒と1つの電気単位(アンペア、ボルト、オームのいずれか)である。1921年、メートル条約は、あらゆる物理量に関する標準化を奨励することを許容するように拡張された。これにより、CIPMの任務の範囲が大きく増えることになり、また、ジョルジの提案を利用する自由を暗黙のうちに与えていた。 第8回CGPM(1933年)では、電気単位のための基準に合意するためにほかの国際組織とともに作業することを決定した。1935年にブリュッセルで開かれた国際電気標準会議(IEC)の総会で、第4の基本単位の選択についてCIPMの適切な諮問委員会と合意をとることが決議された。 第二次世界大戦を挟んで、前回の総会の15年後の1948年に第9回CGPMが開催された。国際純粋・応用物理学連合およびフランス政府からの実用的な計量単位系を確立せよという正式な要請に応じて、メートル条約のすべての加盟国で採択されるような、ただ1つの実用的な計量単位系の勧告を準備するよう、CGPMはCIPMに要求した。同時に、CGPMは計量単位の記号と量の書き表し方と印刷方法についての勧告を正式に採択した。勧告では、もっとも重要なMKS単位系およびCGS単位系の単位についての推奨される記号の一覧を掲載した。また、CGPMは初めて誘導単位に関する勧告を行った。 CIPMの原案は、1954年の第10回CGPMに提出された。それはMKS単位系に基づいてメートル法の単位の定義・記号・用語を広範囲に改訂し、簡略化したものであった。CIPMの勧告では、アンペアを基本単位とし、それ以外の電磁気の単位はそこから導出された。CISとIUPAPとの交渉により、ケルビン度とカンデラが基本単位として提案された。この単位系およびその名前「国際単位系(Système International d'Unités)」は、第11回CGPMで採択された。それから数年の間で、基本単位の定義と、それらの定義を実現するための現示の方法(mise en pratique)は洗練されていった。 CGPMとCIPMを通過した合同決議による国際単位系(SI)の正式な定義は、BIPMにより定期的にインターネットとパンフレット(SI brochure)によって刊行されている。SI文書の第8版Le Système International d'Unités – The International System of Unitsは2006年に刊行された。
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