音高の知覚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 06:36 UTC 版)
音の丁度可知差異 (jnd; Just noticeable difference) は約5セント(半音の5/100)である。しかし、この値は音域によって異なり、音を同時に鳴らした場合にはより精密となる。人が感じる音高は音の大きさや音域そして音色に影響されるといわれる。周波数成分が複数ある音(自然界や楽器の音は全てそうである)から、人間がどのようにして音高を捉えているのかは、はっきりとは分かっていない。人間におけるその他の刺激と同様に、音高の知覚についても、ヴェーバー‐フェヒナーの法則によって説明することができる。可聴域の下限に近い音は高め、上限に近い音は低めに聴こえる。一般に大きい音ほど(僅かだが)高めに聴こえ、低音域では音の振幅が大きくなるほど、音高は低く知覚される。また、倍音の多い(強い)音ほど高めに聴こえる。 シェパード・トーン(シェパード音階)の例 Shepard scale diatonic C この例ではハ長調の上昇音階として演奏。 この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。 シェパード=リセのグリッサンドの例 A descending Shepard–Risset glissando シェパード・トーンを音階ではなくグリッサンドに拡張したもの。この例では下降形で演奏。 この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。 他の人間の感覚と同様に、聴覚にも錯覚(錯聴)が存在し、それにより、音高の相対的な知覚が惑わされる場合がある。これには、「三全音パラドックス(英語版)」などいくつかの例があるが、最も特筆すべきなのは「無限音階(シェパード・トーン)」である。これは、連続の、あるいは不連続の特別な音のスケールが、無限に上昇または下降し続けるように知覚される現象である。
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