音楽のラメント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/10 00:19 UTC 版)
音楽で、ラメントは悲しみの歌を指す。記録に残っているもので最古のものは13世紀の作者不詳のエスタンピー『トリスタンの哀歌(Lamento di Tristano)』である。 クラシック音楽には、『エレミアの哀歌』をテキスト使用または題材にした曲が多くある。主のものは以下の通り。 トマス・タリス『エレミアの哀歌』 ジョヴァンニ・ダ・パレストリーナ『エレミアの哀歌』第1巻〜第4巻 オルランド・ディ・ラッソ『預言者エレミアの哀歌』 エミリオ・デ・カヴァリエーリ『エレミアの哀歌』 マルカントワーヌ・シャルパンティエ『ルソン・ド・テネブレ』 フランソワ・クープラン『ルソン・ド・テネブレ』 フランツ・ヨーゼフ・ハイドン『交響曲第26番"ラメンタツィオーネ"』 シャルル・グノー『ガリア』 イーゴリ・ストラヴィンスキー『トレニ-予言者エレミアの哀歌』 アルベルト・ヒナステラ『エレミアの哀歌』 他には、次のような曲がある。 ギヨーム・デュファイ『コンスタンチノープル教会の聖母の嘆き(Lamentatio Sanctae Matris Ecclesiae Constantinopolitanae)』 ジョン・ダウランド『Mr. Henry Noell Lamentations』 マルカントワーヌ・シャルパンティエ『In Obitum Augustissimae Nec Non Piissimae Gallorum Reginae Lamentum』 - マリー・テレーズ・ドートリッシュへのラメント。 ガエターノ・ドニゼッティ『Lamento in morte di V.Bellini』 - ヴィンチェンツォ・ベッリーニへのラメント。 エマニュエル・シャブリエ『悲歌(Lamento)』 アンリ・デュパルク『ラメント(Lamento)』 - テキスト:テオフィル・ゴーティエ。 レオポルド・ゴドフスキー『Lament』(『トリアコンタメロン』の中の1曲) シリル・スコット『Lamentation』 - 作詞:スコット。 グスターヴ・ホルスト『David's Lament for Jonathan』 ドミートリイ・ショスタコーヴィチ『Lament for a Dead Infant』(『ユダヤの民族詩より』の1曲) ソフィア・グバイドゥーリナ『ラメント(Lamento)』 ギヤ・カンチェリ『ラメント"哀歌"(Lament)』 - ルイジ・ノーノへのラメント。 ヴォイチェフ・キラール『ラメント』 廣瀬量平『五つのラメント』 西村朗『ラメント』 亜沙『吉原ラメント』 17世紀になって、クラウディオ・モンテヴェルディの『アリアンナの嘆き(Lamento d'Arianna)』(1608年)、『ニンフの嘆き(Lamento della Ninfa)』(1638年)で「ラメント・バス(Lamento bass)」という楽式が生まれた。「a-g-f-e」あるいは「a-gis-g-fis-f-e」と音階が全音階または半音階ずつ完全4度まで下がってゆくものである。オスティナートとしてはとくに珍しいものではなく、たとえば、ヘンリー・パーセルの『ディドとエネアス』のアリア『ディドの嘆き』や、J・S・バッハの『ミサ曲 ロ短調』の『クルシフィクス(十字架につけられ)』、モーツァルトの『大ミサ曲』などに使われている。 他に、グレート・ハイランド・バグパイプのためのピーブロホク(Pìobaireachd)の形式にも「ラメント(lament)」と呼ばれるものがある。
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