非理法権天とは? わかりやすく解説

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ひ‐り‐ほう‐けん‐てん〔‐ハフ‐〕【非理法権天】

読み方:ひりほうけんてん

《非は理に勝たず、理は法に勝たず、法は勝たずは天に勝たぬという意》天道に従って行動すべきであるということ楠木正成(くすのきまさしげ)が旗印とした。


非理法権天

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/27 15:13 UTC 版)

非理法権天(ひりほうけんてん)は、近世日本の法観念を表しているとされる法諺


注釈

  1. ^ 江戸時代松平定信が中心となって編纂された古美術図録集『集古十種』には、「河内国葛井寺所蔵の楠木正成の旗」として、上部に菊水の旗印・中央に「非理法権天」の五字・下部に「正成」の署名があるが掲載されている[3]
  2. ^ なお、「無理<道理<法式<権威<天道」という序列を示す表現は、1632年寛永9年)に刊行された仮名草子尤草紙』にも見える[6][7]。また、1694年元禄7年)に刊行された井原西鶴の遺稿集『西鶴織留』には、「されば正成が一戦のさし物旗に、非理法権天、此五字を書しるして、義を重く死をかろく、非は理をもってうち、理は法をもってうち、法は権をもってうち、権はまた天運にまかせ、数度のたゝかひに理を得ざるといふ事なし」(巻六・四「千貫目の時心得た」)という一文があり[8]、この時点で正成と結びついていることがわかる。
  3. ^ 実松譲によると、東京帝国大学の板倉勝美も為しえなかった「非理法権天」の適切な解釈を、ひとり寺本は解明していたという[10]

出典

  1. ^ 有馬祐政, 秋山梧庵 編『武士道家訓集』博文館、1906年、283-285頁。NDLJP:758913/150 
  2. ^ 植田 1993, p. 126-127.
  3. ^ 松平定信 編『集古十種』 第四、国書刊行会、1908年、103頁。NDLJP:992512/65 
  4. ^ 藤田精一『楠氏研究』(増訂4版)積善館、1938年、548頁。NDLJP:1915593/309 
  5. ^ 瀧川 1964, p. 29-30.
  6. ^ 誠文堂 編『仮名草子集』誠文堂〈近代日本文学大系 ; 第1巻〉、1934年、287頁。NDLJP:1209652/179 
  7. ^ 瀧川 1964, p. 30.
  8. ^ 『西鶴集』 下、野間光辰校注、岩波書店日本古典文学大系 ; 48〉、1960年、457頁。ISBN 4000600486 
  9. ^ 実松 1993, p. 193-194.
  10. ^ 実松 1993, p. 194.
  11. ^ ヤヌス・シコルスキー 著 原勝洋 監訳 『戦艦大和図面集』光人社、1999年2月19日、178頁。ISBN 4769808453 


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