電気式湿度計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/01 05:38 UTC 版)
電気式湿度計は、半導体等を用いたセンサーを感部とする。機器への組込みが容易なことから、空気調和設備の自動制御や電子式記録・表示装置に接続して用いられることも多い。 最も一般的な電子センサーは、公共的な気象観測に用いられる容量性及び抵抗性のものである。これらはともに感湿体として多孔質のセラミックス又は吸湿性の高分子膜を用いるものである。 容量性センサーは、感湿体を挟む2つの板状電極の間に交流電圧を印加することによって、感湿体の水分吸収に伴う誘電率の変化がもたらす電極間の静電容量の変化から湿度を測定する。抵抗性センサーは、感湿体の水分吸収に伴う導電性の変化を利用する。これらによって得られた計測値は普通の計量器(容量計・抵抗計)やデータ収集ボード(data acquisition board)によって可視化される。 測定原理の性質上、温度変化による誤差を避けられず、気象観測用としては、これを温度変化1℃につき湿度0.2%以内に抑えなければならないため、実際の製品では温度センサーを用いた補正機構を持つことが多い。また、感湿体にフィルターを装着しているとはいえ、表面の汚損等による経時変化が避けられないため、定期的な整備と校正とが必要である。 気象観測用として許容される器差は、湿度±5%(ラジオゾンデ用の場合、湿度10%)である。
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