量子力学において
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 00:50 UTC 版)
詳細は「素粒子」を参照 量子力学において、素粒子と複合粒子は区別される。電子、クォークや光子は素粒子であり内部構造を持たない。一方、陽子や中性子のような複合粒子は素粒子から成る内部構造を持つ粒子である(図を参照)。 素粒子も複合粒子も、不確定性原理のため空間的に局在化しておらず、その波束はいつもゼロではない体積を持つ。例えば、原子軌道では、電子は素粒子だがその量子状態は三次元パターンを形成する。それでも素粒子を点粒子と呼ぶことには意味がある。量子状態に対しては重ね合わせの原理が成り立ち、非局在化した状態の波束を局在化した状態の重ね合わせに分解して表現することができるためである。これは複合粒子を多粒子系として扱う限りにおいては成り立たない。この意味で、物理学者は粒子に固有の内在的な大きさ、すなわち、その波束の「大きさ」ではなくその内部構造の大きさを議論することができ、素粒子の大きさは厳密にゼロである。なお、空間・長さの最小単位の候補としてプランク長があり、素粒子とのプランク長以下の距離を定義可能であるかどうかは明らかではない。 例えば電子について、実験的証拠は電子の「大きさ」は 10-18 m 以下であることを示している。これは厳密なゼロという期待値と矛盾しない(古典電子半径と混同しないこと。これは実際の電子の大きさとは関係しない概念である)。電子には外部と内部を明確に区別をする境界基準が存在しない。上記プランク長スケールより短い距離が存在しない場合には、そのスケール(逆にプランク長より小さな、無限に短い距離が定義可能である場合には素粒子にはシュバルツシルト半径が存在することになる。)で点粒子とみなすには困難を伴うことから、プランク長スケールにおいては有限の大きさを持つ紐として扱う超弦理論も提案されている。
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