重巡洋艦ペンサコーラ修理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/24 01:00 UTC 版)
「ヴェスタル (給炭艦)」の記事における「重巡洋艦ペンサコーラ修理」の解説
ルンガ沖夜戦で大破した重巡洋艦ペンサコーラに対するヴェスタルの修理は、その修理活動でとりわけ称賛されるべきものの一つであった。ペンサコーラに命中した魚雷は艦尾に甚大な被害をもたらした。艦尾は前部とかろうじて繋がっているだけの状態であり、未だに緩やかに揺れ動いていた。少数の骨材、いくつかの艦体の外板、そして推進軸が事実上ペンサコーラの艦尾を繋ぎ留めている全てであった。 ヴェスタルの艦長は後に語っている。「このような任務に立ち会ったAR(工作艦)はいなかった。最善の方法としてどのような手段が採りうるのか、いかなる記録も存在しなかったのである」 しかしながら、試行錯誤と過去の経験から得たいくつかの事実によって、ヴェスタルの工員たちは作業を実行した。浸水区画の水密を保ち、入り込んだ水を汲み出すことができるように、破孔は塞がれて安定性のために補強された。さらに抵抗を減らすために各々7トンあるスクリュー3基も撤去された。 「皆ちょっとした技術兵でなければならない-」ヴェスタルの艦長は語っている。「まだかなり新しい技術であった水中溶接や切断といったこの仕事を行うにあたって出てくる諸問題を理解するためには」ヴェスタルの作業員たちは、歪み、焼き付いた推進軸を撤去して交換するために、スクリューをダイナマイトで発破しなければならなかった。 ペンサコーラの後に来た重巡洋艦ミネアポリス(USS Minneapolis, CA-36)も、艦体中央部に魚雷を受けたほか艦首が75フィート(約23m)にわたって亡失していた。ヴェスタルはミネアポリスの修理も行い、仮艦首を取り付けて本格的な修理のために本国へ帰還できるようにした。 「そうして事態は進んだ-」ヴェスタルの艦長は続ける。「次々と壊れ、捩れ、雷撃され、焼かれた艦艇を、前線に戻るか本土の工廠へ戻れるように修理したのである」
※この「重巡洋艦ペンサコーラ修理」の解説は、「ヴェスタル (給炭艦)」の解説の一部です。
「重巡洋艦ペンサコーラ修理」を含む「ヴェスタル (給炭艦)」の記事については、「ヴェスタル (給炭艦)」の概要を参照ください。
- 重巡洋艦ペンサコーラ修理のページへのリンク