過労死ライン
過労死に直結する健康障害リスクが高まると見なされている時間外労働時間の通称。具体的には「時間外労働時間数が月平均80時間を超過している勤務状況」と規定されることが多い。
過労死ラインを月平均80時間超とする規定は、2001年の厚生労働省の通達に根拠が求められる。
同通達は過労死の原因となりうる(労災認定の対象となる)疾患の発生と労働との関係について、「発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できる」との見解を示している。
過労死の原因として想定されている疾患は「脳血管疾患及び虚血性心疾患等」、つまり脳梗塞、くも膜下出血、心筋梗塞といった急性疾患である。(脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について)
2001年の厚生労働省の通達では、「1か月当たりおおむね80時間」の他にも、「発症前1か月間におおむね100時間」等の目安を提示している。時間外労働の時間が長くなればなるほど、業務と発症との関連性が強くなっていくとされ、特に時間外労働の時間が45時間を超えてくる辺りからこの傾向が認められるという。
政府は2014年に「過労死等防止対策推進法」を成立させ、同法第6条に基づき2016年10月に「過労死白書」(過労死等防止対策白書)を公表している。
関連サイト:
「過労死等防止対策白書」を公表します ― 厚生労働省 平成28年10月7日
いわゆる「過労死ライン」と呼ばれている、時間外労働時間数が月平均80時間というのはどの法律に根拠が示されているのか知りたい。 ― レファレンス協同データベース 2013年09月20日
かろうし‐ライン〔クワラウシ‐〕【過労死ライン】
過労死ライン
過労死ライン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/30 20:46 UTC 版)
過労死ライン(かろうしライン)とは、日本において、健康障害リスクが高まるとする時間外労働時間を指す言葉。労働災害認定で労働と過労死・過労自殺との因果関係判定に用いられる。
- ^ 「ブラック就業率」が高い県ほど「いじめ容認」の傾向 データは踊る【5】:PRESIDENT Online - プレジデント
- ^ 第1回労働基準法施行規則第35条専門検討会資料
- ^ 過労死等の防止対策とその労災認定について
- ^ (7)過労死の労災認定
- ^ 心理的負荷による精神障害の労災認定基準を策定 |報道発表資料|厚生労働省
- ^ ハローワークインターネットサービス - 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要
- ^ ハローワークインターネットサービス - 失業された方からのご質問(失業後の生活に関する情報) - Q5. 雇用保険の基本手当の支給まで待期期間があると聞きましたが、倒産、解雇等により失業した場合は、雇用保険の基本手当をすぐに受給できるのですか。
- ^ ハローワークインターネットサービス - 基本手当の所定給付日数
- 1 過労死ラインとは
- 2 過労死ラインの概要
- 3 関連項目
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