進化と進歩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 03:58 UTC 版)
生物の進化は進歩ではない。生物における進化は、歴史的な時間経過の中で、世代を繰り返す生物の形質の不可逆的な変化を意味し、必ずしも進歩の意味を含めない。たとえば単細胞生物から多細胞生物、あるいは単純な神経系しか持たない動物から複雑な脳を備えた動物へというように、より高度でより複雑な形質を持つ生物への変化は確かに進歩的であり、これも進化に違いないのではあるが、ある場合にはより単純な構造への変化、それぞれの器官の退化といった退歩的な変化が見られる場合もある。しかし、それはその生物にとってはやはり生き延び、子孫を残すために役立つ変化であり(でなければそのようなものが残るはずもない)、したがってそれはやはり進化であり、先に述べた進歩的な変化と区別するわけにはいかないのである。なお、退化も進化の反対語ではない。
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