詳細釣り合いとは? わかりやすく解説

詳細釣り合い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/09 22:46 UTC 版)

詳細釣り合い(しょうさいつりあい、: detailed balance)は、熱平衡におけるミクロ状態変化を考えた場合、そこに含まれるどの過程の起こる頻度も、その逆過程の起こる頻度と等しいことを指す。その原理を「詳細釣り合いの原理」という。これは、時間反転を行っても、力学的な法則が不変であるところから導かれる。




「詳細釣り合い」の続きの解説一覧

詳細釣り合い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/06 14:11 UTC 版)

アインシュタイン係数」の記事における「詳細釣り合い」の解説

アインシュタイン係数は各原子関連する時間あたりの決まった確率であり、原子含まれる気体の状態にはよらない。したがって例え熱力学的平衡における係数の間で導出することのできる関係は全て普遍的に有効である。 熱力学的平衡では、全ての過程による損失利得により釣り合いがとられ、励起され原子数正味変化ゼロになる単純なバランスとられる束縛遷移に関しては、詳細釣り合いも起こる。これは、遷移確率が他の励起原子有無により影響受けないためである。詳細釣り合い(平衡状態でのみ有効)には、上記3つの過程による準位1の原子数時間変化が0であることが必要である。 0 = A 21 n 2 + B 21 n 2 ρ ( ν ) − B 12 n 1 ρ ( ν ) . {\displaystyle 0=A_{21}n_{2}+B_{21}n_{2}\rho (\nu )-B_{12}n_{1}\rho (\nu ).} 詳細釣り合いに加え温度Tにおいて、マクスウェル=ボルツマン分布いわれる原子平衡エネルギー分布と、プランク黒体放射法則いわれる光子平衡分布知識用いてアインシュタイン係数間の普遍的な関係を導出することができる。 ボルツマン分布より、励起され原子種の数iが得られるn i n = g i eE i / k T Z , {\displaystyle {\frac {n_{i}}{n}}={\frac {g_{i}e^{-E_{i}/kT}}{Z}},} ここでnは励起・非励起原子種の総数密度、kはボルツマン定数、Tは温度g i {\displaystyle g_{i}} は状態iの縮退多重度とも)、Zは分配関数である。温度Tにおける黒体放射プランクの法則より、周波数νのスペクトルエネルギー密度について ρ ν ( ν , T ) = F ( ν ) 1 e h ν / k T − 1 , {\displaystyle \rho _{\nu }(\nu ,T)=F(\nu ){\frac {1}{e^{h\nu /kT}-1}},} ここで F ( ν ) = 8 h π ν 3 c 3 , {\displaystyle F(\nu )={\frac {8h\pi \nu ^{3}}{c^{3}}},} ここで c {\displaystyle c} は光速、 h {\displaystyle h} はプランク定数 これらの式を詳細釣り合いの方程式代入し、E2E1 = hνであることを思い出すと、 A 21 g 2 e − h ν / k T + B 21 g 2 e − h ν / k T F ( ν ) e h ν / k T1 = B 12 g 1 F ( ν ) e h ν / k T − 1 , {\displaystyle A_{21}g_{2}e^{-h\nu /kT}+B_{21}g_{2}e^{-h\nu /kT}{\frac {F(\nu )}{e^{h\nu /kT}-1}}=B_{12}g_{1}{\frac {F(\nu )}{e^{h\nu /kT}-1}},} 整理するA 21 g 2 ( e h ν / k T − 1 ) + B 21 g 2 F ( ν ) = B 12 g 1 e h ν / k T F ( ν ) . {\displaystyle A_{21}g_{2}(e^{h\nu /kT}-1)+B_{21}g_{2}F(\nu )=B_{12}g_{1}e^{h\nu /kT}F(\nu ).} 上式は任意の温度成立する必要がある。よって B 21 g 2 = B 12 g 1 , {\displaystyle B_{21}g_{2}=B_{12}g_{1},} かつ − A 21 g 2 + B 21 g 2 F ( ν ) = 0. {\displaystyle -A_{21}g_{2}+B_{21}g_{2}F(\nu )=0.} したがって3つのアインシュタイン係数次のように相互関連するA 21 B 21 = F ( ν ) {\displaystyle {\frac {A_{21}}{B_{21}}}=F(\nu )} かつ B 21 B 12 = g 1 g 2 . {\displaystyle {\frac {B_{21}}{B_{12}}}={\frac {g_{1}}{g_{2}}}.} この関係式を元の方程式代入すると、プランクの法則関係する A 21 {\displaystyle A_{21}} と B 12 {\displaystyle B_{12}} の関係を導くこともできる

※この「詳細釣り合い」の解説は、「アインシュタイン係数」の解説の一部です。
「詳細釣り合い」を含む「アインシュタイン係数」の記事については、「アインシュタイン係数」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「詳細釣り合い」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「詳細釣り合い」の関連用語

詳細釣り合いのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



詳細釣り合いのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの詳細釣り合い (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのアインシュタイン係数 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS