訴因変更の可否
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 23:09 UTC 版)
起訴状に訴因として記載されていない事実をもって、被告人を有罪にすることはできない。そこで検察官は、当初の訴因では有罪判決を得ることが困難であると考えたときに、訴因の変更を求めることができる。ただし、いかなる変更も許されるわけではない。刑事訴訟法は、訴因の変更が許される範囲について、以下の規定を置いている。 刑事訴訟法第312条1項 裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。 「公訴事実の同一性」がいかなる範囲を指し示すのかについては学説上争いがあるが、狭義の同一性と単一性を基準として範囲を確定する見解が有力である。すなわち、公訴事実が単一(実体法上一罪であること。「住居に侵入して窃盗をした」という事例において、窃盗罪と住居侵入罪間は公訴事実が単一であるため、訴因変更可能)であり、かつ、狭義同一(犯罪を構成する事実関係の基本的部分が社会通念上同一であること。これについては、両訴因が両立するなら併合罪として追起訴になるため、非両立であることも考慮。)であれば、訴因変更をできる。 公訴の同一性の基準に付き最判昭27.10.30 非両立基準 最判昭53.3.6 訴因変更の時期的限界 最判昭47.7.25
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