観音応験記とは? わかりやすく解説

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観音応験記

主名称: 観音応験記
指定番号 2451
枝番 00
指定年月日 1989.06.12(平成1.06.12)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 書跡・典籍
ト書
員数 1巻
時代区分 平安
年代
検索年代
解説文:  『観音応験記』は、五世紀末中国斉【せい】の陸杲りくごう】(字明四五九-五三二)の撰した観音霊験譚を集めた説話集である。
 本巻はその現存唯一の完本で、体裁綴葉装焦茶表紙に「観音應驗記〈複/〉」と外題し、本文淡墨界を施した楮紙に、一紙二二行、一行およそ一七前後丁寧な筆致をもって書写している。奥書はないが、見返に「慶意」「良祐」の伝領墨書があり、本文書風よりみて、その書写平安時代後期降らないものと認められる
 本文の構成三部からなり、「繋観世音應驗」の首題についで「光世音應驗記」と内題があり、宋の傅亮撰になる応験記七条記し、以下呉郡の張演が編した「続光世音応験記」十条収め、ついで本書中心をなす陸杲の「繋観世音応験記」六十九条収めている。
 本書成立の経過については各々序文に明らかで、これによれば冒頭の「光世音応験記」は、東晋謝敷が撰した「観世音応験伝」十余条が散佚したため傅亮記憶によって七ヶ条をまとめたもので、これにならって張演が撰したのが「続光世音応験記」で、さらにこれらに導かれて陸杲諸書参照して編纂したのが「繋観世音応験記」で、当時観音信仰実態伝えている。さらに巻末には陸杲の意をついだ後人増補になる百済観音霊験二条があり、これは七世紀中頃追補されたものと考えられる
 陸杲の『観音応験記』は、唐の『法苑珠林』などに引用みられるが、この青蓮院本によってはじめてその全貌明らかにされたものである。本巻は、文中陸杲を陸果と記すなど一部転写の際の誤写みられるが、中国六朝時代盛行した観音信仰具体的に伝えた鈔本として価値が高い。



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