観世元雅とは? わかりやすく解説

かんぜ‐もとまさ〔クワンゼ‐〕【観世元雅】

読み方:かんぜもとまさ

[1395?〜1432]室町前期能役者能作者。通称十郎世阿弥長男観世大夫3世だが、現系図では数えない若手ながら名手といわれたが、音阿弥愛した足利義教圧迫で、不遇の中に死んだ。作「隅田川」「盛久(もりひさ)」「弱法師(よろぼし)」など。


観世元雅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 09:01 UTC 版)

観世 元雅(かんぜ もとまさ、 応永元年(1394年)、あるいは応永8年(1401年)頃[脚注 1] - 永享4年8月1日1432年8月26日))は、室町時代作者・猿楽師。通称は十郎。初名は元次とも。法諱は善春。世阿弥の長男とされ、弟[脚注 2]に『申楽談儀』を著した観世元能がいる。


  1. ^ 香西精「元雅行年考」、1969年
  2. ^ 表章『観世流史参究』檜書店、67-68頁
  3. ^ 日本思想大系 世阿弥 禅竹』岩波書店、頭注
  4. ^ 能勢朝次『能楽源流考』岩波書店、719頁
  5. ^ 表前掲書、518-522頁。
  6. ^ 表章前掲書、520頁
  7. ^ a b c 西野春雄羽田昶編『能・狂言事典』平凡社
  8. ^ 『申楽談儀』第27段
  9. ^ 『建内記』
  10. ^ 以上世阿弥『夢跡一紙』
  11. ^ a b 世阿弥『却来華』
  12. ^ a b 表章「世阿弥と禅竹の伝書」(『世阿弥 禅竹』解説)
  13. ^ 田中允編『能楽史料第六編 本校四座役者目録』わんや書店の本文による。
  14. ^ 同書所収の異文による。
  15. ^ 梅原猛松岡心平『神仏のしづめ』角川学芸出版、152頁
  16. ^ 『東大寺雑集録』
  17. ^ 桃源瑞仙『史記抄』
  18. ^ 『春日神主寛正五年記』
  19. ^ a b 『尋尊記』
  20. ^ 表前掲書、160-161頁
  21. ^ 『春日神主中臣祐磯記』
  22. ^ 『花伝第七別紙口伝』宗節本奥書
  23. ^ この節特に注記のない限り『能楽源流考』755頁以降および表前掲書71-74頁による。
  1. ^ 没年を40歳弱と見做し1394年生とするのがかつての通説であったが、音阿弥が子のなかった世阿弥の養嗣子として迎えられたと考えられることなどから、音阿弥より元雅のほうが年下と見る説が近年有力となっている[1]
  2. ^ 兄弟の順序については異説がある[2]
  3. ^ これについては、元雅を三世として音阿弥を四世、以下歴代大夫を一代ずつずらして考えるべきとする説と、観世流の採る現行の表記が正しいとする説がある。後者の根拠として、元雅は座の指導者、また優れた役者に授けられる古くからの「大夫」号は受けていたが、音阿弥以降江戸時代に至るまで続いた「幕府公認の御用役者の長」としての「観世大夫」の地位には就いていなかったという事実が挙げられる[5]
  4. ^ 応永31年に醍醐寺清滝宮の楽頭職に就いたのは隠居のはずの世阿弥であったし、それを伝える『満済准后日記』も世阿弥のことを「観世大夫」と記している[6]
  5. ^ 世阿弥は元雅に上記のような絶賛を与える一方で、『却来華』で禅竹を将来の第一人者と評価しつつ、「いまだ向上の大祖とは見えず」とやや辛口のコメントを与えている。元雅は義弟・禅竹に期待を寄せていたようで、「禅竹以外にこの道の家名を後世に残すものはいない」と秘伝の書であった『花鏡』を見せている(『却来華』)。


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