製造業の海外生産比率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 06:10 UTC 版)
内閣府の調査によると、日本の製造業の海外生産比率は、1985(昭和60)年度は3.0%であったが、1990(平成2)年度は6.4%に達し、2009(平成21)年度は17.8%となっている。特に、これまで日本の輸出の大勢を占めてきた自動車等の輸送用機械や電気機器の海外生産比率が他の産業と比べて高くなっている。 「中国の安い人件費によって日本の産業は空洞化してしまう」という議論について、経済学者の伊藤修は2007年の自著において、リカードの比較生産費説を根拠に「(中国への)『全面敗退』はありえない。実際に中国は日本から巨額の輸入をしている」と主張していた。 産業空洞化による問題点としては、国内における雇用機会の喪失、地域産業の崩壊、技能ノウハウを生む生産現場の劣化、貿易黒字を生む国際競争力の減退・喪失といった影響が挙げられる。 産業空洞化による問題は産業構造の転換によって解決できるという主張もある。経済学者の飯田泰之は「実証研究で、産業間の移動が激しいほど経済が成長するという統計もある」と主張する。また伊藤修は「日本経済全体で見れば、ある産業が縮小しても他の産業が代わりに拡大するため、空洞化に直結しない。問題は、縮小する産業から拡大する産業に労働力などが、容易に移動できないことである」と主張する。大和総研は「技術革新によって空洞化の痛みは和らぎ、産業構造の転換が実現可能となる」としている。 詳細は「産業構造の転換」を参照
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