【表面冷却】(ひょうめんれいきゃく)
主として航空機用の液冷エンジンにおいて、エンジンの冷却液を機体表面に循環させて熱を放出する方式。
通常の液冷エンジンに用いられるラジエーター(熱交換器)の機能を、機体そのものに持たせようとするものである。
空気抵抗の増加につながりかねない熱交換器を省けるため、エアレーサーや戦闘機などの高速性能が要求される飛行機に用いられた。
しかし、この方式は、冷却器が機体表面の大部分を覆うことになるため、戦闘機に用いた場合、ここに一発でも被弾するとエンジン停止につながりかねないという致命的な欠点があった。
そのため、戦闘機への採用は全て試作段階で挫折してしまい、実用例はスーパーマリンS6やマッキMC72などのエアレーサーに限られている。
表面冷却
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/21 14:42 UTC 版)
「He 177 (航空機)」の記事における「表面冷却」の解説
He 177は元々、ラジエーター重量の軽減及び空気抵抗の軽減のためにエンジンの冷却には表面冷却方式が採用されていた。しかし、度重なる改良が行われても表面冷却方式は依然多くの問題を抱えており、1939年に表面冷却方式は破棄された。 その代わりプロペラの後ろに環状のラジエーターを取り付けることとなった。このラジエーターはJu 88A-4爆撃機が装備しているものとよく似た形をしており、このラジエーターの追加で機体の重量と空気抵抗は増大する結果となった。
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