苅上薬師様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 04:43 UTC 版)
高根地内の刈上に位置する薬師信仰。現在はお堂と謂れが綴られた石碑が建っている。明治初期に板垣鶴吉が目を病んだ折、苅上の清水を点眼し回復を祈り杉を奉納したのが当薬師信仰の謂れとされている。1930年(昭和5年)には有志により仏堂が新築され、そこに薬師像が安置された。それから、仏堂と像が刈上にあることから「苅上薬師様」として信仰を広めるようになった。また戦前のころ、地元の子供達が当本尊を沢での水遊び道具にしていため龍山寺の住職が寺に持ち帰り、年に2回(5月8日、11月8日)の祭りの時だけお堂に返し参拝するようになった。しかし、現在は龍山寺で祀っている。5月8日の祭日は、講員のおばあさん達がお堂の掃除をし、清水を汲んで龍山寺に祀られている本尊にあげて参拝をする。以前は、祭日の前日である5月7日の晩から十数名でよもぎ餅や温かい食べ物などを供えて、夜籠りをしていたという。夜籠りを終えた翌朝はお堂の上にある山に登り、大きな岩のある場所でお参りをしていた。講員の家庭では、代々お嫁さんに引き継ぐなどして信仰を守っている。
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