花祭の流れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/16 17:52 UTC 版)
花祭は約10日間にわたり、初めは準備で、当日はまず神下しの式が行なわれ、ついで舞踊、最後に神上げで終る。舞踊は少青年の与るものと、神々の出現を意味する、すなわち神に扮装するものとがあり、後者は仮面を付ける。最初に楽器その他の祭具を祝福する舞があり、ついで各種の舞があるが、曲目は楽(太鼓)の舞、笛の舞、撥の舞からはじまり、地固め、市の舞、花の舞、三ツ舞、四ツ舞、湯囃しの舞などであり、地固めの舞以下すべては少青年の与るものであり、執物によって1つの舞がさらに2、3の舞に分かれ、だいたいにおいて年齢によって定められる。神の出現を意味するものは「山見」、「榊」と称する2つの鬼が中心であり、べつに「お判」と称する眷属が多く出る。ほかに巫女、翁、禰宜などもあり、舞踊の曲目はだいたい15、6種で、前夜から翌朝まで祭場の中央に大釜を焚き、その周囲で休みなく続けられる。少青年の舞はいずれも花模様のある上衣に、同じ模様のたっつけをつけ、鬼は槌または鉞を持ち、その仮面は天地1尺以上、1尺5、6寸にも及ぶ巨大なものである。それらが焚火を囲み、笛、太鼓による囃子に判れて乱舞するさまは真に壮観であり、それに見物の男女が入り乱れ熱狂して冬の夜を明かすという。
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