芋酒とは? わかりやすく解説

いも‐ざけ【芋酒】

読み方:いもざけ

ヤマノイモをすってまぜた酒。薬用酒として用いた


芋酒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/27 00:36 UTC 版)

芋酒(いもさけ、沖縄読み:んむざき)は、日本沖縄地方琉球王朝時代から大正期にかけて自家醸造されていた蒸留酒

概要

製造法

自家醸造酒であるため、芋酒の製造法はバリエーションに富んでいる[1][2][3][4][5]。基本的には、雑穀や砕米でをつくり、甘藷や製糖時の洗浄液、黒砂糖などを添加してアルコール発酵を行う[5]。蒸留は、兜式蒸留釜を用いる[1]

歴史

文献上は1839年の記録が最古である[6]。芋酒は、琉球王朝時代には課税や取り締まりの対象外であり、各村で製造されていた。1879年の琉球処分で沖縄県が設置されても、明治政府は当初旧慣温存政策[7]をとったために自家醸造はなおしばらく続いたが、1908年に酒造税が沖縄県へも適用されるに伴い[8]、自家醸造酒としての芋酒は製造されなくなった。

参考文献

  • 調査研究琉球泡盛に就いて(復刻版)、田中愛穂、永田社(昭和53年)
  • 本県の酒類(『琉球新報』、明治 37,10.11)
  • 『具志川市史』巻一、具志川市史編さん委員会編、具 志川市役所(1991)
  • 『沖縄県史』沖縄県旧慣行調査 諸港津巡視 自家醸の概略 (1894 年)
  • 中世から近代における琉球・沖縄の酒について、豊川哲也、沖縄県工業技術センター研究報告第20 号 平成 29 年度
  • 伊江島考察史、伊是名牛助、沖縄県立図書館蔵
  • 沖縄県史、「旧慣調査資料、第 21 巻資料編 11(1989)
  • 第4回帝国議会貴族院 沖縄県及び東京府小笠原島伊豆七島に於ける酒造税に関する法律案

脚注

  1. ^ a b 調査研究琉球泡盛に就いて(復刻版). 永田社. (昭和53年) 
  2. ^ “本県の酒類『琉球新報』”. (明治 37,10.11) 
  3. ^ 『具志川市史』巻一. 具志川市史編さん委員会編、具志川市役所. (1991) 
  4. ^ 沖縄県旧慣行調査 諸港津巡視 自家醸の概略. 沖縄県. (1894年) 
  5. ^ a b 豊川哲也 (2019年). “中世から近代における琉球・沖縄の酒について、” (PDF). 沖縄県工業技術センター研究報告 (20): 63-86. https://www.pref.okinawa.jp/site/shoko/kogyo/kikaku/kenkyuhoukoku/documents/h29sousetu01.pdf. 
  6. ^ 伊江島考察史. 沖縄県立図書館蔵 
  7. ^ 沖縄県史第 21 巻資料編 11「旧慣調査資料」. 沖縄県. (1989) 
  8. ^ 第4回帝国議会貴族院 沖縄県及び東京府小笠原島伊豆七島に於ける酒造税に関する法律案” (PDF). 国立国会図書館. 2019年9月3日閲覧。


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