艦橋構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 22:26 UTC 版)
当初は前檣を三脚マストにする予定だった。だがユトランド沖海戦の戦訓を取り入れ、耐震性に優れる強固な主檣に六本の副檣を合わせた七脚檣を採用した。海外からはパゴダ・マストとよばれ、日本戦艦の特徴となった。前部艦橋は頂上部に円筒状ケース内に射撃方位盤を収めた射撃所とされ、水線からの高さは約41mとされている。頂上射撃所の下部は射撃指揮所、その下は檣楼指揮所とされ、半段下がって両側が副砲指揮所となっている。その次は列強の中でも大型の10m主砲用測距儀が置かれた高所測距儀所とされ、測距儀はレール上を旋回するという珍しい方式となっている。 扶桑型の建造でも問題となった主砲発射による爆風の負荷に耐えるため、平賀譲の設計によって、艦橋部支柱をそれまでの3本から、7本に追加したと言われる。その爆風対策に問題はなかったが、新造時には艦橋が外に露出している事から、直立する2本の煙突からの排煙に悩まされた。牧野茂によれば、排煙処理が問題になった時点で平賀譲計画主任は藤本喜久雄部員に対策を検討させた。藤本が前煙突を湾曲させることを提案すると、平賀は「みっともないことが出来るか」と拒否し、覆いをつけるという対策をとった。ところが効果はなく、平賀は煙突を曲げるという藤本の提案を無断で取り入れ、両者の対立の一因となった。この煙突は長門型戦艦のシンボルとなったという。幾度かの改装と共に、艦橋構造は複雑な外観を呈した。艦橋にエレーベーターがあり、山本五十六長官が利用したという証言もある。末期の「長門」には、偽装の為、頂上部の射撃所と電探が取り払われた。
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