臨床試験と承認
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 05:54 UTC 版)
「ルテチウムオキソドトレオチド (177Lu)」の記事における「臨床試験と承認」の解説
欧州委員会は2017年9月、ルテチウムオキソドトレオチド (177Lu)を「切除不能または転移性で進行性、高分化(G1およびG2)、ソマトスタチン受容体陽性の消化管・膵神経内分泌腫瘍(GEP-NET)の成人における治療」として承認した。 177Lu-ドータテートは、2018年1月に米国で「成人における前腸、中腸、後腸の神経内分泌腫瘍を含むSSTR陽性消化管・膵神経内分泌腫瘍(GEP-NET)」の治療薬として承認された。米国でGEP-NETの治療薬として放射性医薬品が承認されたのは初めての事である。 米国食品医薬品局(FDA)は、ソマトスタチン受容体陽性の中腸GEP-NET患者229名を対象としたNETTER-1という1つの非盲検臨床試験の結果に基づいて、177Lu-ドータテートを承認した。登録された患者は、外科的に切除できない腫瘍を有し、オクトレオチドによる治療を受けている間に腫瘍の状態が悪化していた患者が選ばれた。 参加者は、177Lu-ドータテートと長時間作用型オクトレオチドを併用する群と,より高用量の長時間作用型オクトレオチドを単独で投与する群に無作為に割り付けられた。177Lu-ドータテートは静脈から注射され、長時間作用型オクトレオチドは筋肉に注射された。177Lu-ドータテートの有効性は、治療後に腫瘍が成長しなかった期間を測定し、対照群と比較することで評価された(無増悪生存期間)。 FDAは、GEP-NETSを含むソマトスタチン受容体陽性腫瘍の被験者1,214名を対象に、オランダの単一施設であるエラスムスMCで177Lu-ドータテートを投与したデータに基づく第2の非盲検試験の追加データを検討した。参加者全員が177Lu-ドータテートとオクトレオチドの併用を受けた。177Lu-ドータテートの有用性は、治療中に腫瘍の大きさがどの程度変化したかを測定することで評価された(全奏功率)。FDAが奏効を評価したGEP-NET患者360人のうち、16%で完全または部分的な腫瘍の縮小が報告された。なお、本試験に当初登録された被験者には、拡大アクセスプログラムの一環として、177Lu-ドータテートが投与された。 177Lu-ドータテートは日本では2021年6月23日に製造販売が承認され、8月12日に薬価収載された。
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