統合と再編の時期(1960—1970年代)
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「コミック・ストリップのシンジケート配信」の記事における「統合と再編の時期(1960—1970年代)」の解説
1963年、シカゴのフィールド・エンタープライズ(英語版)と『ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン(英語版)』紙の発行人を務めていたジョン・ヘイ・ホイットニーがパブリッシャーズ・シンジケートを買収し、 同社のシンジケート事業をニューヨーク・ヘラルド・トリビューン・シンジケート(英語版)やフィールドのシカゴ・サンタイムズ・シンジケート(英語版)、および『シカゴ・デイリー・ニューズ』紙のシンジケート部門と統合した(同紙は1959年にフィールドに買収されていた)。ニューヨーク・ヘラルド・トリビューンが1966年に廃刊されると、『B.C.』や『ミス・ピーチ』、『ペニー(英語版)』のような連載漫画はパブリッシャーズが引き取った。 1962年にアダムズが死去してから1960年代半ばにかけてジョージ・マシュー・アダムズ・サービスの業績は悪化した。1966年にアダムズ社の資産と配信作品は『ワシントン・スター』紙に売却され、ワシントン・スター・シンジケートが発足した(しかしコミック・ストリップ・マーケットで大きな影響力を持つことはついになかった)。 1967年、フィールド・エンタープライズはホール・シンジケートを買収し、既に傘下に収めていたパブリッシャーズ・シンジケートと統合させてパブリッシャーズ=ホール・シンジケート(英語版)を生み出した。 1960年代の半ばになると、コミック・ストリップはテレビなどのメディアとの競争によってアメリカ人の生活の中心から押しのけられた。コミック史家モーリス・ホーン(英語版)はこう書いている。「1960年代はコミックスのシンジケートにとって、かつてないほど露骨に人気テレビ番組を模倣することで、急速に減っていく読者をどうにかして埋め合わせようと(無駄に)あがく10年間だった」 『エディター&パブリッシャー(英語版)』誌は1968年にシンジケート数社の配信作品数と配信先の紙数を伝えている。 シカゴ・トリビューン=ニューヨーク・ニューズ・シンジケート(150作品、1400紙) ニュースペーパー・エンタープライズ・アソシエーション (NEA) (75作品、750紙) ユナイテッド・フィーチャー・シンジケート(50作品、1500紙) コロンビア・フィーチャーズ(英語版)(45作品、1000紙) ナショナル・ニュースペーパー・シンジケート(英語版)(35作品、650紙) パブリッシャーズ=ホール・シンジケートの次長・国内営業部長を務めていたジョン・マクミールは、1970年にユニバーサル・プレス・シンジケート(英語版)を設立した。同年10月26日から新聞20紙ほどに掲載されたギャリー・トゥルードーの『ドゥーンズベリー』がユニバーサル・プレスの配信作第一号となった。翌年3月からは日曜版の配信も始まった。『ドゥーンズベリー』はやがて国外を含めて1400紙以上に掲載されるようになった。同作の著作権は当初作者とユニバーサル・プレスが共同で所有していた。 マクノート・シンジケート最後のヒット作『ヒースクリフ(英語版)』は1973年から1980年代末まで配信され、掲載紙は1000紙ほどに上った。マクノートは1986年の『ヒースクリフ・ザ・ムービー(英語版)』を皮切りに同作の映画版を数篇制作した。 1972年、ユナイテッド・フィーチャーが北米新聞連合とベル=マクルーア・シンジケートの事業をまとめて買収し、自社の事業と統合した。 1975年、フィールド・エンタープライズがパブリッシャーズ=ホールを傘下のフィールド・ニュースペーパー・シンジケートに吸収した。フィールドはこれにより人気の高い長寿作品を多数獲得した。例として『メアリー・ワース』、『スティーヴ・ローパー』、『ペニー』、『ケリー・ドレイク』、『M.D.レックス・モーガン』、『ジャッジ・パーカー』、『ミス・ピーチ』、『B.C.』、『ウィザード・オブ・イド』、『わんぱくデニス(英語版)』、『ファンキー・ウィンカービーン(英語版)』、『マーク・トレイル』、『ママ(英語版)』がある。 1978年2月、ワシントン・スター・シンジケートが(親会社とともに)タイム・インクに身売りした。それから1年余の後に、ユニバーサル・プレスがワシントン・スター社の資産の一つスター・シンジケートを購入した。 1978年5月、スクリップスはユナイテッド・フィーチャーとNEAを合併させてユナイテッド・メディア・エンタープライズを設立した。1973年に創立されたワシントン・ポスト・ライターズ・グループは1980年になってからバークリー・ブレズド(英語版)の人気作『ブルーム・カウンティ』でコミック・ストリップ配信に参入した[要出典]。
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